ハチロウ

蜂が作り出す (ろう)のことを、

 

蜂ろう 」(ハチロウ)

 

と呼んでいますが、よく聞くのは

 

蜜ろう 」(ミツロウ)

 

の方だと思います。

どちらも同じ意味で使われますが、厳密に言えば違います。

説明の便宜上、ここでは、2つを分けて書いていきたいと思います。 

 

蜂ろう が純粋な ‘ 生の蝋 ’ なのに対し、

蜜ろう は蜂ろう以外の 不純物 が加わっているものです。

 

また、色も蜂ろうは白色、透明ですが、

蜜ろうは花粉由来の色が加わることで、黄色掛かった 様々な色 になっています。

 

ワバチを含め、ミツバチの巣は、この蜂ろうを使って作られて行きますが、

巣を作る過程で、汚れ や、花粉由来の 色素 などが加わり色が付いて行きます。

 

このようにして出来上がった巣板を、

溶かし・精製して・ある程度、不純物を取り除いた ものが、蜜ろう なんです。

完全に精製すると、色素も取り除かれ、真っ白な元の色に戻ってしまうようですね。

 

image (1)

【 様々な形と色の蜜ろう 】

 

ハチが 蝋 を自分で作り出すなんて!!!

 

この事実を初めて知った時は、本当に驚いたのを覚えていますが、

ミツバチの巣が、蝋から出来ていることは知っていても、

どうやって、蝋を作り出すのかを知っている方は、少ないのではないでしょうか。

 

 

いったいどのように 蝋 を作り出しているのでしょう?

 

ミツバチの腹部の腹側には、蝋を出すろう腺(ワックス腺)が4対あります。

 

image

【 ろう腺から分泌される蜂ろう 】:4対、計8ヶ所から蝋が分泌されます。

 

この ろう腺 で蝋が生成、分泌され、

 

「 うろこ状の 蜂ろう 」

 

が作り出されているのです。

初め蝋は、液体状 で分泌されるのですが、体の表面上に薄い膜のように広がり、

すぐに冷えて固まることで、蝋片 となります。

 

ワバチを飼育されている方などは、良くご存知かと思いますが、

入居直後など、巣板作りが盛んな時期は、

巣箱の底に、この小さな蝋片が沢山落ちているのを見ることが出来ます。

 

P1040652_cr

【 うろこ状の蝋片 】:白く透き通っていて綺麗です。

 

この蜂ろうの原料になっているのは、実は、ハチミツ なんです。

ハチミツ中の 糖質 を利用して、体内で蝋を 生合成(体の中で化学変化によって作り出すこと)しているんです。

 

ハチミツは、このように、食べ物以外にも利用されているんですね。

飼育時、砂糖水などを給餌してあげることで、巣作りが活発化したりすることがあるのですが、それは巣板の原料である糖質が供給されるからなんです。

 

巣板は、以下のような経緯で作られて行きます。

 

 

蜂蝋

 

 

・分泌された蝋片は、後肢の棘のある剛毛に引っかけられて、口元まで運ばれます。

・そして、口にある大顎(オオアゴ)でこれを受け取り、

   大顎の付け根にある「 大顎腺 」から分泌される 酵素 と混ぜられます。

・この時大顎の温度は 40℃ 以上に上がってるようです。

   何と、蝋を柔らかく(融点は64℃前後)して加工し易くしているんです!!!

 

す、凄過ぎっ!!!

 

こうして酵素や高温によって扱い易くした蜂ろうを使い、巣板を作り上げていくんです。

出来上がった巣板は、初めは白いのですが、

使われるうちに、体毛に付いた花粉の色素が付着するなどして変色していきます。

 

image (3)

【 巣板の色の変化 】:写真下、左から右へと変化します

あまり使われていない巣板は、白くきれいなままですが、頻繁に使われる所から変色していきます。

 

また、出来て直ぐの巣板は柔らかいのですが、

育児により幼虫から出される 排泄物の堆積 や、サナギになる際に出す 繭糸 によっても、巣板が強化されていくようです。

 

因みに、ヨウバチはプロポリス(蜂ヤニ)と呼ばれる粘着物質で巣板を補強するのですが、ワバチは一切しないんです。興味深い違いですね。

これに代わる何か独自策を、ワバチは秘かに隠し持っているのかもしれません・・・。

 

まだまだワバチは、分からないことの多い 謎の!? ミツバチなんです。

 

 

ところで、ミツバチの巣と言えば、六角形のハニカム構造ですが、

この事については、また別の機会にあらためて書きたいと思います。





《 関連リンク 》

 ● ワバチの巣(巣板)

 ● ハニカム構造







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Author:やっこ
ニホンミツバチに関する様々なことを、
気ままに思いつくまま書いてます。
可愛く癒されるワバチの魅力を、たくさん発見したいと思っています。

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