ハチミツ とはなに!?

ハチミツ

 

「 ハ チ ミ ツ 」

 

ミツバチと聞いて、これを連想しない人は、まずいないでしょう。

逆に、ハチミツと聞いて、

 

「 ミ ツ バ チ 」

 

を連想しない人も、また然りではないでしょうか。

実際、ハチミツミツバチ は、切っても切れない関係にあります。

 

 

この「 ハチミツ 」とはいったい 何なのでしょう?

 

一言で表現するなら、

 

「 ミツバチが花の蜜を使って造り出す、奇跡のような食品 」

 

ということになるでしょうか。

ここで勘違いして頂きたくないのは、

 

「 花蜜 ≠ ハチミツ 」

 

つまり、花の蜜 がそのまま ハチミツ になる訳ではない ということです。

 

人が、ブドウ から ワイン を造り出しているのと同様に、ハチミツは、

ミツバチが 花の蜜を原料 にして、手間暇をかけて加工し造り出している、

 

云わば、加工品 なんです。

 

実は、現代の先進技術をもってしても、人類には作り出せない凄いものなんですよ。

このハチミツを造る性質が、

 

「 人類をして、ミツバチを家畜たらしめた 」

 

とも言えますが、

人類が誕生する遥か昔から、ミツバチは 加工技術 を体得していたんですね。

 

 

凄いぞ、ワバチ!!!

 

 

ハチミツについては、まだまだたくさん紹介したいことがあるので、

不定期ですが、今後何回かに渡って詳しく書いていこうと思っています。

お楽しみに!!!





《 関連リンク 》

 ● ハチミツ が出来るまで(その1)

 ● ハチミツ が出来るまで(その2)

 ● グルコース

 ● フルクトース

 ● 微量成分






ハチミツ が出来るまで(その1)

ハチミツを知らない人はいないはずですが、

ハチミツが、どうやって造られているかを知る人は、非常に少ないと思います。

 

honey

 

 

 

主に花の蜜を使ってハチミツは造られますが、

単に、花の蜜の水分を飛ばせば、ハチミツが出来る。

といった、単純な話ではありません。つまり、


「 花蜜 = ハチミツ 」ではない 


ということなんです。では、


いったい、どのように造られているというのでしょう?


簡単に言ってしまえば、

 

「 花蜜に酵素を加えて成分を変化させ、水分を飛ばして造っている。」

 

ということになります。

この説明では、あまりにも味気無いので・・・

 

不思議なことに、難しい言葉で表現すると、

凄いことが起こっているように、感じて(錯覚して)しまうものです。

こんな場合、大抵は、小むずかしいのは、言葉だけなんですが、


ここでは、実際、本当に、凄いことが起こっているので、

折角ですから、ここはちょっと難しく、専門的に表現してみたいと思います。

 

ハチミツは主に花の蜜を原料として、

 

ミツバチが自らが作り出す 酵素 を加えることでの「 化学変化 」

並行して行われる 扇風 などによる「 脱水 」

 

によって、出来上がっています。

どうでしょう、なんか凄いことが起きているように感じませんか?

 

 

次回は、ハチミツが出来るまでの、具体的な工程を詳しく書いてみたいと思います。





《 関連リンク 》

 ● ハチミツ とはなに!?

 ● ハチミツ が出来るまで(その2)

 ● グルコース

 ● フルクトース

 ● 微量成分









ハチミツ が出来るまで(その2)

ハチミツは、主に花の蜜を原料として、

 

・ミツバチが自らが作り出す 酵素 を加えることでの「 化学変化 」

・並行して行われる 扇風 などによる「 脱水 」

 

によって出来上がっていますが、

ハチミツが実際に作られる過程を、少し詳しく説明していきます。

 

ミツバチは高度に組織化、分業化された社会で生活を営んでいますが、

花の蜜や花粉を専門に採りに行く「採餌蜂」と呼ばれる働き蜂がいたり、

育児を専門に行う「育児蜂」、ハチミツを専門に作る「貯蜜蜂」などが存在しています。

 

 

採餌蜂による 採蜜

ミツバチは 蜜胃ミツイ)と呼ばれる花蜜を貯める専用の胃を持っていて、

採餌蜂が花を回って集めた花蜜は、まずこの蜜胃に貯められます。

 

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【 蜜胃中の花蜜イメージ 】:多くの花を回りながら花蜜を貯めていきます。

 

この花蜜貯蔵タンクである蜜胃に、

体重の半分である約40mgもの花蜜を貯めて持ち帰るのですから、凄い量と言えますね。

(詳しくはこちらを参照)

 

蜜胃は食道の一部が風船のように膨らんでいる部分ですが、

この先の腸に行くことで、初めて体に吸収され自分の食べ物となります。

 

ただこの蜜胃と腸の間には弁があって、採餌中はこの弁を閉じて決して自分のものにすることは無いのです。 (飛翔用の燃料が切れた場合は、ここから使用します)

 

つまり集めた花蜜は自分のものではなく、巣の仲間との共有財産ということなのです。

ミツバチは無私の心で仲間の為に働きます。

実際に1匹の満腹のハチと数匹の空腹のハチを同居させると、

満腹バチは蜜胃の蜜を皆に分け与え、餓死するタイミングはほぼ同じになるそうです。

 

 

採餌蜂 から 貯蜜蜂 へ

採餌蜂 が巣に戻ると、入り口付近に待機している蜜の貯蔵を担当する 貯蜜蜂 に、

口移しで蜜胃の中にある花蜜を渡します。

 

この受け渡しの際に、頭部内にある、下咽頭腺という所から、数種類の酵素が分泌され、

花蜜に混ざることになります。

この 酵素 が後に、重要な役割を果たしていくことになるのです。

 

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【 花蜜の口移し 】:写真はヨウバチです。 (参照動画はこちら

 

持ち帰ってすぐの花蜜は、水分量が 30~70% と 非常に高い 状態にあり、糖度も低く、このままではすぐに腐り出してしまいます。

(糖濃度を上げてやると腐敗菌は活動出来なくなります)

 

この状態では保存用の食料としては到底使えないため、

長期保存可能な ハチミツ に造り変えていく必要があるのです。

 

 

仮置き場への 一時貯蔵

花蜜を受け取った貯蜜蜂は、空き巣房を探し出し、とりあえず 、

仮置き場 として、一時そこに花蜜を入れていきます。

 

 

花蜜の 移動

仮置き場に貯められた花蜜は、夜間などを利用して保存用の巣房に 移動 されます。

何度かこの移動を繰り返すのですが、これらの移動や吐き戻しの都度、花蜜に酵素が加えられることになります。

 

 

酵素による 化学変化

花の蜜が酵素と混ざることで、花蜜に 酵素反応 が起こります。

ここで起こる 化学変化 によって、

 

花 蜜(Nectar)が ハチミツ(Honey)へと変化していくのです。

 

 

水分除去作業

同時に腐敗を防ぐため、花蜜に含まれる水分も除去され、糖度が上がっていきます。

水分の除去は、口吻での操作 翅(はね)を使った扇風 の2段階で行われています。

 

口吻での操作 というのは、 (口吻はこちらを参照)

口吻を半ば開いて、花蜜を薄い膜状に引き伸ばし、蜜を出し入れして蒸発を促す作業です。

 

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【 口吻操作による水分除去 】:口吻を開いて蜜を出し入れします。

 

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【 口吻操作による水分除去・酵素添加の様子 】:写真はヨウバチです。 (参照動画はこちら

説明では蜜を吸うとありますが、この映像、実は水分除去と酵素添加中のものです。

よく見ると口吻を少し開いて、吸う・吐き戻す を繰り返し行っています。

 

この口吻の操作の間にも、多量の酵素が加えられ、徐々にハチミツに変化していきます。

 

こうしてある程度水分除去が進み、濃縮された 未熟蜜 は、

次に少量ずつ水滴状に小分けされ、膜状に引き伸ばされた形で巣房に塗り付けられます。

こうすることで、空気に触れる表面積が増え、水分蒸発が促進されるのです。

 

ここで更なる促進の為、

翅を使った扇風 により風を当て、一気に水分を除去しているのです。

 

濡れたタオルは、広げて風に当てれば一発で乾きますが、これと同じ理屈ですね。

 

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こうして小分けされ、水分除去された 未熟蜜 は、

再度集められて巣板上部の 長期保存用 の巣房に貯蔵されることになります。

 

因みに、ハチミツを大量に作っている時というのは、

この扇風による脱水作業によって、大量の水が発生するため、巣内はびっしょり濡れることもあるんです。 夜間、巣箱に耳を傾けると、この扇風の音が聞こえてきたりもします。

 

 

蜜蓋による 封印

最終的に水分が約20%になり、糖度が 80% くらいまで濃縮されると、

ミツバチは合格と見なして、その巣房に蜂ろうで 蜜 蓋 (ミツブタ)と呼ばれる蓋を掛けます。

 

幼虫がサナギになるときにも、蝋を使って蓋をするのですが、

この時には、使用済みの蜜ろうを再利用したりします。

つまり、蓋に不純物が含まれているということです。

 

ただ、この蜜蓋を作るときは、再利用はせず、

分泌したての不純物の無い、きれいな蜂ろうを使っています。

(だから蜜蓋は白く見えるんです。 詳しくはこちらを参照)

 

食品用の蓋だから、という理由でしょう。

ミツバチは何と衛生面にも気を使っているんですね。

こんな細かな、しかし大事なことまで体得しているなんて、驚きです!!

 

ハチミツを採取する場合は、よく熟成された証であるこの蓋掛けされた蜜を採るのが原則とされています。

 

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【 蜜蓋が掛かった貯蜜巣房 】:糖度約80%で蓋掛けされます。

 

花蜜が運び込まれてから、ここまで、通常 丸3日 を要します。

この間貯蜜蜂たちは、昼夜を問わず、皆で協力しながらこの作業を繰り返しているんです。

 

 

 

化学変化について少し補足します

 

花蜜状態での、糖の大部分の成分は、

二糖類の ショ糖スクロース)と呼ばれるもので、これは砂糖の主成分でもあります。

 

 

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残念ながら、このショ糖のままでは、直接吸収出来ないため、

一度体の中で、吸収可能な形の糖 に分解してやらなければならないのです。

つまり、花蜜のままでは、すぐにエネルギーとして使えないということです。

 

 

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【 酵素によるショ糖の分解 】

ショ糖は、ブドウ糖と果糖に分解されて初めて、体に吸収されます。

 

いくら脱水により糖度を上げて、長期保存が出来るようにしたとしても、

食べてすぐに動けない のであれば、効率の良い食物とは言えません。

 

そこでミツバチは花の蜜をハチミツに変える過程で、

酵素α-グルコシダーゼ・β-フルクトフラノシダーゼ)を加え、

花蜜中の ショ糖 を、すぐに体に吸収され、エネルギーとして利用出来る

 

ブドウ糖グルコース) と 果 糖フルクトース

 

と呼ばれる単糖類に変えているんです。 (特にブドウ糖はすぐに吸収されます)

 

 

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【 糖の成分変化 】:花蜜からハチミツになるまでに糖成分は変化しています。

 

このように、完成したハチミツというのは、

既にほぼショ糖は無く、ブドウ糖果糖 に変わっているのです。

つまり、食べてすぐに動ける糖、になっているという訳ですね。

 

実際にエネルギー切れで餓死寸前の痙攣状態の時に、ハチミツを食べさせてあげると、

あっと言う間に元気な状態に復活し飛び立ってゆきます。

ハチミツの即効性、エネルギー効率の良さには、本当にビックリさせられます。

 

更に、違う酵素グルコースオキシダーゼ)を使って一部のブドウ糖を

過酸化水素グルコン酸 という 有機酸 に変えています。

 

グルコン酸 は、

・pH(ペーハー)を下げることで、ハチミツに独特の酸味を与える

・微生物による 腐敗 や 発酵 を防ぐ

 

過酸化水素 は、強力な殺菌作用を持つため

・水分が多く腐敗しやすい未成熟な状態のハチミツの劣化を防ぐ

 

といったことにそれぞれ役立てているのです。

何と、脱水による防腐だけでなく、いわば防腐剤までも一部作り出しているんですね。

 

以上、このような工程を経て、

ミツバチは、花の蜜 を ハチミツ に変え、

 

 

すぐにエネルギーに変わる腐敗しない 長期保存可能 な食糧 』

 

 

を造り出しているのです。

 

 

 


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こんなにも手間暇をかけて、加工し、造り出されているなんて、

 

ミツバチとはなんと賢く、

ハチミツとはなんと素晴らしいのでしょう!!!

 

もちろん人間が食べてもすぐに吸収され、エネルギーに変わるので、

疲労回復などにもうってつけというわけですね。

 

 

今回は、ちょっと専門的な内容も含めて書きましたが、

難しい表現を差し引いたとしても、

やっぱり ハチミツは凄い ということが分かって頂けたかと思います。

 

 

 

ありがとう、ミツバチ、

 

 

ありがとう、ワバチ!!!!





《 関連リンク 》

 ● ハチミツ とはなに!?

 ● ハチミツ が出来るまで(その1)

 ● グルコース

 ● フルクトース

 ● 微量成分


 ● 蜜胃(ミツイ)!?

 ● マウス

 ● ハチロウ





グルコース

ハチミツのことを知りたければ、その成分について知るのが近道です。

 

 

ハチミツ中に最も多く含まれている成分は、

 

グルコースフルクトース と呼ばれる糖ですが、

 

グルコース(C6H12O6)の別名は、

 

「 ブドウ糖 」

 

と呼ばれています。(糖なので舐めると甘いです)

 

この糖は、花蜜中に含まれる ショ糖 が分解されて出来ていますが、

(詳しくはこちらを参照)

果糖(フルクトース)と並び、ハチミツには欠かせない成分の一つです。

 

ブドウ糖は、これ以上分解する必要のない、最もシンプルな糖なので

 

単糖

 

と呼ばれるのですが、この糖、実は、人間にとっては

 

脳を動かす唯一のエネルギー源

 

だったりします。

勉強して、頭を使った後などに、妙にお腹が空く、といった経験をしたことはあると思いますが、これは、脳が大量にブドウ糖を消費したので、

 

「ブドウ糖くれー!!」

 

と言っている状態なんです。

 

こんな時は、ハチミツを摂取しましょう。

すぐに体に吸収されるので、非常に効果的なんです。

最近ではブドウ糖だけを錠剤にしたものも販売されていますが、なんだか味気ないですよね。

やっぱり、ハチミツの方が香りもあり、気分的にもリラックス出来るので、断然こちらがお勧めです。

 

ところで、

冬場などに、ハチミツが白く濁ったように、結晶化するのを見たことはあると思います。


結晶蜜

【 結晶化したハチミツ 】

 

これ実は、ブドウ糖 が犯人なんです。

 

ブドウ糖は結晶化し易いという性質を持っていて、

ブドウ糖が含まれている以上、全く結晶化しないハチミツはありません。

 

結晶化は、ハチミツの宿命 なんですね。

 

よく言われるのが、

 

「 結晶化するハチミツは 本物 の証だ!! 」

 

という文句ですが、これって本当なのでしょうか?

 

確かに、ハチミツは結晶化するものなので、この言葉は間違っていません。

ただ、結晶化しないからと言って、一概に 偽物 と言い切れないのもまた事実なんです。

 

実は、ブドウ糖の量は、花の種類によってまちまちです。

ハチミツ中に、果糖の方が多く、

ブドウ糖が極端に少なかったりすると、一年以上 結晶化しないこともあったりします。

(より多くブドウ糖が存在しているほど、早く結晶化が起こります。)

 

ハチミツは、大抵1年以内には消費されてしまうものなので、

食べ終わるまで全く結晶化しなかったからと言って、

直ちにこれが 偽物 とは言えないということなんです・・・・。

 

ただ、ヨウバチが造る、レンゲ、アカシアといった花の名前を冠した、

「 単花蜜 」(一つの花の蜜から造られたハチミツ)

として売られているハチミツは別です。

 

花によって、ブドウ糖の量が分かっていますので、

例えば、

アカシア(ニセアカシア)は、果糖を多く含み、結晶化の遅いハチミツです。

もし、アカシア蜜が直ぐに結晶化した場合は、偽物ということになるでしょう。

 

逆に、

菜の花(ナタネ)は、ブドウ糖が多く、結晶化が早いハチミツです。

この蜜は寒くならなくても結晶化し、

この蜜が混ざっただけでも、そのハチミツは、同様の傾向を示すようになるようです。

 

草の花 は 結晶化し易く、樹の花 は 結晶化し難い 」

 

全てに当てはまる訳ではありませんが、こう覚えておくとよいかもしれませんね。

結局、目安にはなっても結晶化の有無だけで、真贋を判断するのは難しいと言うことです。

 

では、ハチミツの真贋を見極めるにはどうすれば良いのか?

この事については、また改めて書いてみたいと思います。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

余談ですが・・・・・、

炭水化物について

 

「 炭水化物 」

 

3大栄養素の一つで、よく耳にする言葉だと思います。

これっていったい何なのか、説明するのはなかなか難しいものですが、

簡単に云ってしまえば、「 糖質 」のことなんです。

 

例えば、お米、これは炭水化物です。

云うまでもなく日本人の主食ですが、実はこの中にはブドウ糖が含まれています。

 

単糖 がたくさん、くっ付いた状態の糖を、多糖類 と呼んでいますが、

炭水化物は、まさにこの 多糖類 なんです。

花蜜の主成分であるショ糖は、ブドウ糖と果糖の2つの単糖が結合しているので、2糖類と呼ばれます。

 

お米の主成分は、デンプン ですが、

小学校の理科の実験で見た思い出があると思います。

ジャガイモを切った後の包丁に、白く付く 粉状 のあれです。

 

実はこのデンプン、ブドウ糖がたくさん結合 して、形を変えた物なんです。

形が変わっているので、糖なのに舐めても甘く感じません・・・。

 

このデンプンを、体で吸収するためには、

単糖である ブドウ糖 まで酵素を使って分解してやらなければなりません。

 

 

 

食品別-糖分解イメージ

 

 

 

何と、お米は吸収するまでに、3回も分解する必要があるんです。

これに比べ、ハチミツは初めからブドウ糖になっているので、

そのまま吸収され、血糖値を上げて、脳などの活動エネルギーとしてすぐ利用されます。

 

ハチミツは、エネルギー摂取のための栄養源としては、

 

最も合理的、理想的 な食べ物と言えるでしょう。

 

 

理想食を造り出せるなんて、

 

やっぱり、ワバチは凄いですね!!

 

 

次回は、ハチミツ中にあるもう一つの糖、果糖 について書いてみたいと思います。

 

 

 

更に余談ですが・・・・

 

炭水化物は糖質のことですが、

何故、炭水化物などという分かりにくい、名称になったのでしょう?

 

化学式で書くとこの言葉の由来が解ります。

実は炭水化物の多くが、CHO の形の化学式で表されます。

この形は、まさに 糖の化学式 のそれなのですが、

 

これを C(H2O) に書き換えると、炭素 ということになります。

つまり、炭素:C水:H2O が 混ざったものという意味で 、

 

化物 」

 

というわけです。

分かりやすく素直に、糖質 と呼べばいいのに、といつも思ってしまいます・・・・。






《 関連リンク 》

 ● ハチミツ が出来るまで(その2)

 ● フルクトース

 ● 微量成分






フルクトース

前回は、グルコース (C6H12O6 )(ブドウ糖)について書きましたが、
ハチミツ中に多量に含まれるもう一つの糖は、フルクトース (C6H12O6 )、別名

 

「 果 糖 」

 

と呼ばれる糖です。

 

この糖は、天然に存在する糖の中では最も甘く、

砂糖(ショ糖)に比べると、何と、約1.7倍甘い そうです。


ハチミツが砂糖より甘く感じるのは、この果糖の影響が大きいようですね。

ただ、甘みは 温度 によっても左右されます。

 
40 ℃ 以下でないと、砂糖よりも甘くならないようで、

果糖はより冷やして食べた方が美味しく感じるようです。

 

リンゴ、ナシ、ブドウ、スイカ は、冷やすと美味しくなりますが、

これは果糖を多く含んでいるからなんです。

 

ハチミツの場合は、果糖だけでなくブドウ糖も含んでいますので、

一概に冷やせば良いというわけではありません。

 

冷蔵庫で冷やした場合と、常温の場合で食べ比べるとすぐに分かります。

明らかに 常温 のハチミツの方が、甘く美味しく感じられます。

ハチミツのラベルには、必ず「保存方法は常温」と書かれていますが、

その方が美味しいからなんですね。

 

一方のブドウ糖は、その性質上、14℃ に近いほど結晶化し易くなるので、

これより少し高い温度にすることで、バランスよく甘みを引き出せる可能性があります。

 

また、果糖の含有量 によっても甘みは変わります。

果糖が少なく、ブドウ糖の割合が多いと、全体の甘さは抑えられてしまうようなんです。

つまり、果糖がより多い ハチミツの方が甘いということですね。


実際に、食べ比べてみたことがあります。

国内ハチミツで最も重要視される、アカシア (ニセアカシア) と レンゲ です。

 

 

acacia      astragalus

【 アカシア 】                                 【 レンゲ 】

 

 

果糖成分の多い、アカシア蜜 (樹の花:結晶化しにくい)

ブドウ糖成分の比較的多い、レンゲ蜜(草の花:結晶化し易い)


やはり、果糖の多いアカシア蜜の方が、断然 甘かったですね。

レンゲ蜜と比べると、甘過ぎる(ベッタリした甘さ)くらいに感じてしまいます。

個人的には、レンゲ蜜の酸味を含んださわやかな甘み、の方が好みでした。

 

一般に、樹の花 の方が、果糖を多く含む傾向にあるので、

樹の花から採れるハチミツの方が、甘い傾向にあるのかもしれません。

甘いから美味しいという訳ではありませんが、選ぶ上での目安にはなるかと思います。

 

「 樹は草より高いので、甘さも上!? 」 と覚えて下さい!!

 

これからは、草の蜜なのか、樹の蜜なのか、

ちょっと気にしながら、ハチミツ選びを楽しんでみては如何でしょうか。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

余談ですが・・・・・、

果糖とブドウ糖について

 

果糖はブドウ糖と 化学式(分子式)が全く同じであることにお気づきでしょうか?

 

ブドウ糖 C6H12O6 

果  糖      C6H12O6

 

つまり全く 同じ分子 で出来ている糖ということです。

 

・6個の炭素分子(C)

12個の水素分子(H)

・6個の酸素分子(O)

 

それぞれ同じ種類と数の分子を持つにもかかわらず、

結合の仕方が異なるだけで、違う形になり、性質、働きも 違ってくる んです。

 

 

ブドウ糖と果糖

 

 

例えば、

果糖は結晶化し難いブドウ糖はし易い

果糖は吸収が穏やかブドウ糖は速い

果糖は吸水性が強いブドウ糖は弱い

果糖は甘みが強い    が ブドウ糖は弱い

 

何とも不思議ですね、化学(バケガク)の世界って。


果糖とブドウ糖は、

全く同じ食材を使った、全く違う料理、とイメージすれば良いのでしょうか・・・・。

 

ハチミツは、健康食品と言われることもありますが、

この異なる性質の糖が混在していることで、様々な効果 を与えているのでしょうね。





《 関連リンク 》

 ● グルコース

 ● 微量成分












微量成分

人に必要な栄養素のうち、

 

炭水化物(糖質)タンパク質脂質ビタミンミネラル

 

以上を5大栄養素と呼んでいます。

実はハチミツには、一応 この5大栄養素 全てが含まれています。

 

 

 

微量成分

 

 

 

 

ハチミツの主成分は、云うまでもなく 糖質 です。

花の種類によっても変わってくるのですが、

 

ブドウ糖と果糖  : 約70~80%

水  分               : 約20% 前後

 

ハチミツは、ほとんど 糖質水分 だけからで来ている、ということですね。

 

残り 約5~10% の 微量成分 としては、

 

・ビタミン      :(ビタミンB1・B2・B6・C など)

・ミネラル      :(K・Na・Ca・Mg・Fe・Cu など)

・酵  素          :(α-グルコシダーゼ・グルコースオキシダーゼなど)

・有機酸         :(グルコン酸・クエン酸・リンゴ酸など)

・アミノ酸      :(リジン・グルタミン酸・アスパラギン酸など)

・香気成分      :(テルペン・アルデヒド・アルコール・エステル類 など)

・色  素          :(花蜜・花粉由来で微量)

・その他の糖質:(オリゴ糖・麦芽糖・ショ糖)

・タンパク質   :(花粉由来で極々微量)

・脂  質          :(花粉由来で極々微量)

 

となります。

 

微量成分に関しては、タンパク質脂質 は、ほぼ無いに等しいのですが、
他は、蜜源花の種類によって、含まれない成分もあったりします。

 

糖質、有機酸 に関しては、

ミツバチの働きで作り出されていますが、ビタミンやミネラル、香気成分は違います。

 

何故、ビタミンなどが含まれるのかというと、

元々 花蜜 花粉 に含まれていたものが、ハチミツに入り込んでいるからです。

 


この微量成分たちの効果についてですが、

 

実は、有機酸 がハチミツの美味しさに影響を与えています。

糖質に対して、有機酸の割合が多いほど、美味しく感じる。

つまり、甘さの中に、ほど良い 酸味 があるほど、美味しく感じるということです。

 

そして、多くの アミノ酸 は、ハチミツの味を大きく左右する存在です。

「味の素」などの化学調味料には、アミノ酸(グルタミン酸ナトリウムなど)が含まれます。

アミノ酸は 旨味の素 なのです。

 

また、一部のアミノ酸は、ハチミツが変色する原因になっています。

ハチミツを長期間保存しておくと、褐色に変色 していきますが、

これは、アミノ酸がブドウ糖や果糖と反応して、暗色物質 を作るからなんです。
(体に害はないので、食べても大丈夫です)

 

ミネラルである 鉄分(Fe) は、紅茶を黒く濁らせます。

鉄分が紅茶のタンニンと結合すると、黒いタンニン鉄を生成します。

黒く濁るのはこのためで、体に害はありませんが、気になるようなら、レモンを入れることでこれを消すことが出来ます。

 

そして、香気成分 は、ハチミツ独特の香りに大きく影響しています。

つまり、ハチミツらしさ を作る素になっているのです。

 

ほんの僅かしか存在しない成分ですが、

微量ではあっても、ハチミツを形作る上で、大きな影響を与えているんですね。

 

 

 

 

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余談ですが・・・・・、

ハチミツの人への効能について参照サイト

 

ハチミツに含まれる、

微量成分を指して、栄養豊富様々な効能 などとよく言われます。

 

これら微量成分は、人体に有用な作用を与えてくれるものも、当然あります。

ただ微量すぎるので、スプーン一杯のハチミツくらいで効果が出るとは到底思えません。

 

例えば、ビタミンCの場合、一回に 約1kg のハチミツを摂取しないと効果が出ません。

効果を得るには、一度にいったい何キロのハチミツを食べなければいけないのでしょう?

糖分の取り過ぎで、かえって体を悪くしてしまいます・・・・。

 

つまり

一概に 栄養豊富で様々な効能がある とは言い切れないということなんです。

 

ネットや健康雑誌などでは、ハチミツの効能を肯定的に書いている内容ばかりです。

よく見ると、これらは、ハチミツを売る側のサイトや書籍、或いはスポンサーであることに気付きます。つまり、売り手側の理屈 ということなんです。

 

例えば、冒頭に書いた、「 ハチミツは5大栄養素を全てを含む 」

ここだけ見ると、凄い栄養豊かなんだ!! と勘違いしてしまいます。

言葉自体に嘘はありませんが、

実情は、タンパク質・脂質は無いと言えるくらいの微量です・・・・。

 

ただ、古今東西、ハチミツの人に対する効能は経験的に実証されていますし、

科学的にも一部証明されてもいます。

 

全くの嘘を言っているわけではないので、これでも良いのでしょうが、

大袈裟に強調するのは、ちょっと違う気がしてしまいます・・・・。

 

「 ハチミツは、美味しく効率的に、エネルギー補給が出来る食品 」

 

それ以外の効能は、そんな可能性もあるよ、という程度で

大人の都合に惑わされず、過度に期待はしない方が良いということですね。

 

 

 

《 関連リンク 》

 

グルコース

 

フルクトース









ワバチ 蜂蜜

ワバチのハチミツ は、ヨウバチ のそれに比べて、

 

「 非常に高額、希少、そして美味しい。」

 

と言われています。

 

 

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でもこれって、本当なんでしょうか?

 

ワバチ蜜を食べたことが無い方にとっては、とても気になるところだと思います。

ワバチの養蜂で有名な、某養蜂場の商品を見比べてみました。

 

・ワバチ蜜は、   グラム 約円。

・ヨウバチ蜜は、グラム 約円。

 

となっています。約3倍 です!!


本当に 高額 なんですね。

 


でもなぜ、こんなに高額なんでしょう?

 

実は、一般に市販されているハチミツの、

ほぼ 100% が、家畜の ヨウバチ によって生産された蜜で、

 

ワバチ蜜は、市場に 0.1% しか存在していないようなんです・・・・。

ワバチ蜜が高額なのは、絶対量が少なく、希少 だからなんですね。

 


では、ワバチ蜜を手に入れるには、どうしたらよいのでしょう?

 

ワバチ蜜は、観光地の売店 であったり、ワバチを飼育している 養蜂場 であったり、

販売所が限られていて、日常的に気軽に買うことはちょっと難しいんです。

 

ただ、最近はネットで何でも買える時代になりました。

例に漏れず、ワバチ蜜も、ネット で探せば購入できてしまいます。

どうしても、すぐ食べてみたいという方は、利用なさってみては如何でしょうか。

 

ただ、気になるのは、 美味しさ です。

 

 

本当にワバチ蜜って、美味しいのでしょうか?

 

美味しさというのは、個人差があるので、これは何とも 難しい 所です。

ただ、味わいは、違うと感じます。ワバチ蜜は、

 

「 清々しい酸味があり、味わい深く、コクがある。」

「 そして美味しい。 」

 

と一般に表現されますが、私も同感です。

個人的には、強く

 

美味しいですよ。

 

と言いたいところです。

 

でも、実は、ワバチ蜜 も ヨウバチ蜜 も、

含まれる 主要成分 に、大きな違いは無い んです。

 

え!!

 

実は、両種を同じ場所、同じ期間飼育して、採取した蜜で比べると、

味の違いが 分からない そうなんです。

 

つまり、同一条件下 で採蜜したハチミツは、

両種とも、その味わいに、変わりが無い ということのようなんです。

 

え!?

 

ちょっと残念に思うのは、私だけでしょうか・・・・。

 

 

 

ワバチ・ヨウバチ蜜

 

 

ではなぜ、味わいに違いがあると言われているのでしょう?

 

それは、採蜜までの、巣房内での 貯蔵期間 が、関係しているようです。

 

普通、ヨウバチ では、盛花の時期は、5日置き位に採蜜が出来るようです。

つまり、ハチミツが 出来たらすぐに採蜜 しているということなんです。

商売でやっていますので、採れる時にたくさん採るというのは、当然ですよね。

 

一方、ワバチは、商用として飼われる場合は少なく、

単枠式巣箱以外の飼育では、採蜜は、年1回 行われるのが普通です。

つまり、巣房内で 長期間貯蔵 されている、ということなんです。

 

・ヨウバチ蜜は、出来たて蜜。

・ワバチ蜜は、長期貯蔵蜜。

 

ワバチ蜜の、ほど良い酸味味わい深さコク は、

全て!?  巣内での長期貯蔵 によって、出来上がっていると考えられるんです。

 

ワインに例えると分かりやすいのですが、

ヨウバチ蜜は、フレッシュ出来立ての新種、ヌーヴォー

ワバチ蜜は、何年も樽で熟成された、長期熟成ワイン

 

どちらも美味しく魅力的ですが、ヌーヴォーの単調な味わいよりも、

複雑で味わい深い熟成ワインが を行くのは至極当然といったところなのでしょう。

 

ワバチ蜜の魅力は、長期貯蔵で、その 本領 を発揮します。

短期サイクルで採蜜すれば、ヨウバチ蜜と変わらない、味わいになるようなので、

購入される場合は、採蜜まで 何年飼育されたか、確認されることをお勧め致します。

 

 

でも、何故、巣内で長期貯蔵されると、味わいが変わってくるのでしょうか?

このことについては、また別の機会に書きたいと思います。

 

 

 

余談ですが、

ハチミツは、花の種類や、採れた土地、さらには採れた年、時期などによって、

が変わってきます。花は 生き物 なので、当然のことですね。

 

ヨウバチの場合は、単花蜜 と言って、

一つの種類の花から、ハチミツを採取したりしています。

 

これは、同じ花が同一場所に大量に咲いていて、初めて実現できるのですが、

実は、これには、少し 無理 があるんです。

 

そもそも、同種の花だけが、同一場所に多量に咲く、ということは、

自然界ではまず あり得ません

 

そこには、人の 管理 が加わっているということで、不自然 極まりない状態なんです。

さらに、開花時期だけ、ハチを 移動 させて、巣箱を持ってくる必要もあります。

これは、一つの場所に住み続けるという、ミツバチの 本性 とは、かけ離れています。

 

単花蜜 というのは、このように、

無理(不自然)に、無理(不自然)を重ねて、実現されているハチミツなんです。

実は、ハチにも、自然にも、優しくないというのが、今の商業養蜂の実態です。

 

一方、ワバチは昔ながらの、旧式養蜂 が主流です。

採蜜も年一回位で、巣の周辺に咲く様々な花の蜜から、ハチミツが造られています。

 

百花蜜 と呼ばれますが、このハチミツこそ、自然 そのものではないでしょうか。

 

ただ、

ヨウバチのお陰で、我々はハチミツを、気軽に食べることが出来ているのは事実です。

ヨウバチには、感謝ですね!!

 

 

 

ヨウバチ

 

 

 

更に余談ですが・・・、

 

最近、ボジョレ・ヌーヴォー が、解禁されました。

今年採れたブドウで造った 新酒 なので、ジュース感覚で飲めるのはよいのですが、

個人的には味わいが単調で、美味しいとは感じません・・・。

 

本来ワインは、料理と合わせて飲むことで、その美味しさが 倍増 するのですが、

ヌーヴォーは、そのまま飲んだ方がむしろ、飲めるんです。

 

こんなボジョレ・ヌーヴォー、試しに、ワバチ蜜 を魚に、飲んでみたところ、

 

何と、意外に、イケました。

 

よかったら、試してみて下さい。









(最終更新日:2014.12.05)




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