お引越し

その逃去性の高さから、

ワバチを飼うのは難しいと評されたりします。

でもそれって、本当でしょうか?

 

「 逃去 」というのは、

 

巣を放棄して逃げ出してしまうことを言います。

そう、ワバチはすぐ逃げる!?  んです。

私も何度か逃げられました・・・・・・。

 

もっとも、これは人間目線の言い方で、

彼女らにしてみれば、単に棲み辛くなったので、引越した に過ぎません。

 


引越し1

 


ワバチは、

住環境が悪くなりストレスが溜まると、よく引越しをします。

 

より良い住環境を求めて、巣内の全員で新居へと移住するのです。

このような場合を「 計画的逃去 」と私は呼んでいます。

 

一方、オオスズメバチに襲撃された際にも、巣を放棄する場合があります。

これは敵に追われて巣外へ逃げ出すので、これこそ正に逃去ですね。

これを、「 突発性逃去 」と私は呼んでいます。

 

この突発性逃去の場合は、巣内の財産全てを放棄して逃げ出すので、

生き延びることは稀、そのまま消滅する場合が殆どです。

 

人にとっては同じ 逃去 でも、

ワバチ目線で考えると、

実は「 引越し 」と「 逃去 」は全くの別物なのです。

 

このように、お引越しをするワバチですが、無暗にする訳ではなく、

必ず理由があります。

 

・暑くなり過ぎる

・蜜源植物が少なくなる

・蜂数が増えすぎて、巣に収まらなくなる

・外敵に巣板を食い荒らされる

・人による過度な外部刺激

 

など、住環境が悪くなりストレスが溜まる場合です。

逆に、それ以外では、まず引越しはしません。

飼育の際も、それ程神経質になる必要はないという事です。

 

因みに、ヨウバチはまず引越すことは無く、

花のない環境でも居座り続け、そのまま餓死することもあるとか・・・。

(反面、飼い易い!?とも言えるのですが。)

 

私の経験では、

健全な状態の群は、まず引越しはしません。

特に子育てを盛んに行っている時は、少々のことで巣を去ることはないのです。

 

・蜂数が少ない

・暑過ぎる状態が続く

 

といった正常でない場合に、

内検などの外部刺激が急に加わったりすると、高確率で引越します。

 

恐らく、原因は1つではなく、複数、もしくは諸問題が 累積 することで、

我慢の閾値を超えたときに起こるような気がしています。

私の主観ですが、

この場所では 子供を育てられない と判断した際に引越しを決めるようです。


よくよく考えてみると、これは

生き延びるためには 必須の能力 だという事に気付きます。

 

「 この先、此処では生き延びられない 」

 

という状況判断は野生種として身に付けていて当然の能力であり、

この力があったからこそ、これまで日本の大自然で生き延びられたとも言えるのではないでしょうか。

 

座して死を待つ など、野生種にはあり得ないのです。

 

 

逞しいぞ、ワバチ!!!

 

 

一概に「お引越し」と言っても、

数千~2万匹位のハチが一度に出ていくのですから、実はそう簡単なことではありません。

引越しを成功させるための凄技を次回はご紹介したいと思います。





《 関連リンク 》

 ● 準備万端!!





準備万端!!

ワバチは、住環境が悪くなり、

この場所ではもう 子育てが出来ない と判断すると、引越しをします。

でも、ただ単に巣を放棄して出て行くわけではありません。

 

裸一貫、何の計画もなく出ていくのは、

住処と食料、そして労働力となる子供たちを全て失うという事で、

それは、その群 (女王蜂と働き蜂達の一群) の死を意味します。

 

・新たな住処は何処にするのか?

・既に貯め込んでいる食料(ハチミツ、花粉)はどうするのか?

・今育てている幼虫たちはどうするのか?

 

今後の生存を考えると、

引越しに際しては、このような諸問題を解決しなくてはなりません。

 

そこでワバチ達は、この問題を解決すべく、

事前に 周到な計画 を立て、確実に実行 しているのです。

 

 

 

引越し2

 

 

 

まず、引越しを決断すると、

 

・ダンスでその旨を皆に伝達し周知し合います。

 

次に「引越し」と云うくらいですから、当然、新居が必要です。

 

・新たな住処を探す為に探索蜂を放ち見付け出します。

 

新天地で必要な食糧(ハチミツ・花粉)は持って出て行くのですが、

持ちきれない食料が発生しないよう、量の調節を始めます。

 

必要以上のハチミツを作っても、置いてゆくだけになる場合は、

無駄なハチミツ造りを止めます。

 

・花蜜の採取を徐々に減らして行きます。

 

また、産卵も止め、今育てている幼虫分の餌(花粉)しか集めません。

 

・花粉もあまり運び込まなくなります。

 

傍で見ていると、出入りが少なくなってゆくのが分かります。

そして、大切な労働力となる幼虫たちは、

 

・育児中の幼虫たちは全て育て上げます。

 

そして、今育てている子供たちを羽化させると、決行するのです。

稀に、時間的にどうしても育てられない幼虫や、羽化を待てないサナギが出る場合があります。こんな時は、食べられて間引かれたり、置いて行かれたりします。

この間、約1ヵ月くらい。

 

それは、ある晴天の早朝(と思われます)に行われます。

貯めていた巣内のハチミツ、花粉、全てを持って、

皆で一斉に巣から飛び出し、一度近くの木の枝などに止まって蜂球を作ります。

そして、既に探し出してある新居へと移住して行くのです。

 

出て行った後は、もぬけの殻状態になっています。

実際に目の当たりにすると、お見事!! としか言い表せません。

 

せっかく大事に飼っていたのに、ハチミツも全く残さず出ていくとは・・・・・。

「 逃去 」と呼ばれる所以でしょうね。

 

 

計画を立て、皆で協力し合って実行し、そして成功させる・・・・。

 

なんとワバチは 賢い のでしょう!!!





《 関連リンク 》

 ● お引越し







プロフィール

やっこ

Author:やっこ
ニホンミツバチに関する様々なことを、
気ままに思いつくまま書いてます。
可愛く癒されるワバチの魅力を、たくさん発見したいと思っています。

アルバム
お知らせ!!
ブログに関する、お知らせをしています。

(現在、不定期に更新しています。)


・系図・作成ツール 公開!! → こちら


・採餌圏MAP 公開!!
 → こちら

Gallery
最新記事
ブログ内 検索
カテゴリ
月別アーカイブ
記事一覧

記事の一覧表示


管理画面 ( )
最新コメント
やっこ の オススメ書籍

ワバチに関する、おすすめの本です。

ぜひ、読んでみて下さい!!




ニホンミツバチが日本の農業を救う



ハチはなぜ大量死したのか