はんしょく

普通、子供が生まれて増えることを、繁殖 と言いますが、

ワバチの場合はちょっと事情が 違い ます。

 

普段、ワバチは、

最大約2万匹の働き蜂と、1匹の女王蜂が一つの コロニー を作り生活をしています。

そして、女王蜂は、真冬以外は、常に 卵を産み続け、子供達を 増やし続けて います。

 

この行為、一見、繁殖のようにも見えるのですが、

ワバチの場合、この子供を増やす行為を、繁殖 とは 言わない んです。

 

え !?

 

以前、ワバチの社会は、コロニー全体で、一つの生命体 という意味で、

 

超個体こちらを参照)である。

 

と書きましたが、これを理解すると、よく分かるはずです。

 

人は、普段は意識すらしていませんが、常に 新しい細胞 を体内で作り出しています。

細胞の 新陳代謝 というやつですね。

 

 

TurnOver01

ターンオーバー(新陳代謝)のプロセス より

 

 

細胞には寿命があるので、常に新しく作り続けていかなければ、死んで しまうんです。

分かりやすい例では、髪の毛や爪 は、常に伸び続けますし、日焼けして皮がむけても、

下には 新しい皮膚 が、ちゃんと用意されていますよね。

 

女王蜂が常に産卵し、子供たちを増やし続ける行為も、実はこれと同じことなんです。

つまり、これはあくまで、自分のコロニー を維持するためだけの行為なんですね。

 

細胞の新陳代謝を、繁殖とは言わないのと同じように、

ワバチのこの行為もまた、実は 繁殖 とは 言えない んです。

 

 

では、ワバチは、どのように繁殖しているというのでしょう?

 

 

このことについては、次回書いてみたいと思います。







《 関連リンク 》

 ● 巣別れ

 ● 超 個 体 !?







巣別れ

俗な言い方ですが、

 

食って・寝て・糞して・まぐわう

 

人も含めて、生物と呼ばれる者たちが、生きている間にしていることと云ったら、

つまり、たった、これだけ なんです。

 

う~ん、 深い!!

 

そして、次世代に自分の タネ(遺伝子)を残して、死んでいく・・・

 

このサイクルで、生物界は、今も回り続けているわけですが、

つまり、 遺伝子を残すことが、生物の生きる 目的 と云えるのかもしれません。

 

そして、繁殖とは、次世代にこの 遺伝子(命)を渡す行為 ともいえます。

 

普段、ワバチの巣の中には、多くの働き蜂が存在していますが、

働き蜂は本当に 多忙 で、

 

巣作り・子育て・掃除・空調管理・自衛活動・食料調達・調理 など、

 

生活の全てが、働き蜂たちの 無私!? の労働によって支えられているんです。

ただ1つ、

 

子供(卵)を産む

 

という、生物の根幹にかかわる、この大事な仕事だけは、

 

女 王 蜂

 

ただ1匹だけが、担っています。

働き蜂は、メスなので、実は卵を産むことが出来るんですが、その卵は、

働き蜂にはならないんです。

 

コロニーに1匹しか存在しない女王蜂は、死ぬまで 常に 卵を産み続けます。

これが、女王蜂の 唯一 の仕事と言ってもよいのかもしれません。

 

ただ、働き蜂を産み続けるという、この行為、

前回 も書いたように、コロニーを維持する ためのものでしかありません。

1日に、100匹は死んでいくと言われる働き蜂の、補充の作業でしかないんですね。

 

普段は、こうすることで、コロニーを維持、発展させているわけですが、

このままでは、女王蜂の寿命が尽きた時点で、補充が途絶え てしまうことになり、

そのコロニーは、全て 死滅 してしまいます。

 

これでは、次の世代に を引き継ぐことは 叶いません。

 

不妊の働き蜂 を産み続けるだけでは、次世代に命をつなぐことは 出来ない わけです。

 

人の場合、その子供が 命を引き継ぐ担い手 となりますが、

ワバチの場合、この大役を担うことが出来るのは、生殖能力 を持っている、

 

 

『 女 王 蜂 』( Queen Bee )

 

 

だけなんです。

そこで、毎年 になると、普段は働き蜂しか生まないはずの女王蜂が、

何と、新たに 女王蜂 を産んでしまうんです。

 

正確には、働き蜂が新女王蜂を作り出すのですが、この辺りの事情については、

また後日、詳しく書いてみたいと思います。

 

新たに女王蜂が生まれると、

母に当たる、今までその巣にいた 女王蜂は、女王蜂に、その巣を ゆずって

巣内にいる 一部の働き蜂たち と共に、住み慣れた巣を出て行ってしまいます。

 

出て行った 女王蜂は、また 新たな巣 を探し出し、

一緒に巣を出た働き蜂と共に、そこで生活を一から 再スタート させるんです。

 

こうすることで、今まで 1つ しかなかったワバチのコロニーが、

分割されて、2つ に増えることになります。

 

この2つのコロニーは、血を分けた 母娘(おやこ)という関係になりますので、

のコロニーは、のコロニーの 遺伝子を引き継ぐ者、言い換えれば、

 

命を受け継ぎ、次世代に渡していく、本当の意味での 子供

 

ということになります。

 

そう、つまり、このやり方が ワバチの繁殖方法 なんですね。

 

 

 

巣別れ

 

 

巣(コロニー)が分かれる ことで繁殖していくので、この繁殖方法を、

 

巣別れ(すわかれ)

 

と呼んでいたりします。

専門用語では、蜂が分かれる という意味で、

 

分 蜂(ぶんぽう)

 

と呼んでいて、こちらの方が一般的ですね。ただ、この表現は、日本独特 のようで、

ちなみに、英語では、分蜂時の状況を表した、群れをなして飛び回る という意味の、

 

Swarming

 

と表現されていたりします。また、分蜂と同じ読み方で、

 

分 封(ぶんぽう)

 

と書く場合もあるのですが、

これは、言葉の意味通り、領地を分け与えて支配させる という意味と、

ワバチの巣別れが、同じように見えることから来ているようです。

 

実際の分蜂(巣別れ)を目の当たりにすると、

ハチの乱舞で、それはもう、壮観そのもの、感動ものなんですが、

分蜂の詳細 については、また別の機会に改めて書きたいと思っています。

 

 

 

余談ですが、

実は、この時期生まれる娘の女王蜂は、1匹ではなく、2~4匹位 いるんです。

時間差で生まれるので、先に生まれた 女王蜂は、女王蜂が生まれる前に、

母と同じように、に巣を ゆずって新たな巣 へと旅立ちます。

 

繁殖期 と云われるこの時期、1つの母コロニーから、2~4つ の娘コロニーが、

誕生することになるわけです。

 

地域によって差はありますが、4~7月 のこの時期(ちょうど今の時期ですね)、

ワバチ好きのハチ飼いたちは、ワクワクドキドキソワソワ しながら、

この新たに巣別れするハチを捕まえようと、待ち箱を仕掛け、待ち受けます。

 

ワバチ好きにとって、この時期、

 

血沸き、肉躍る!?

 

一年の中で、最も興奮する季節 だったりするんです。







《 関連リンク 》

 ● はんしょく

 ● 分 蜂


 ● 王台(おうだい)!? (その3)




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Author:やっこ
ニホンミツバチに関する様々なことを、
気ままに思いつくまま書いてます。
可愛く癒されるワバチの魅力を、たくさん発見したいと思っています。

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