クィーン(その1)

数千~最大2万匹とも云われる、大集団 で生活を営む ワバチ ですが、

全てのハチたちが 遺伝子 を共有する、家族とも云える、この集団の中にあって、

たった 1匹 だけが、他のハチたちとは、その、

 

見た目 も、大きさ も、仕事内容 も、さらに 寿命 まで、

 

何もかもが 全く違う、ハチが存在しているんです。

そう、ご存知、

 

 

『 女 王 蜂 』Queen Bee

 

 

と呼ばれるハチです。

 

 

女王バチ

 

 

 

女王蜂 と、名前は付いていますが、

別に王様の お妃(きさき)さま、というわけではありません。

(そもそも、王様なんていませんし・・・・。)

 

実は、こう呼ばれるようになったのは、養蜂知識のまだ 幼稚な時代 で、

当初ミツバチは、一匹の女王蜂が、集団を 統率 していると考えられていました。

今では、実はそうではなく、働き蜂たちの 情報伝達 によって運営される、

 

 

「 リーダーなき秩序社会 」こちらを参照

 

 

ということが分かっています。

 

大集団の中に 1匹 しか存在せず、

他の多くの働き蜂たちから、食事などの、生活一切の 世話 を受けているハチがいる。

 

それは、あたかも、絶対君主制の 王政 とイメージがダブってしまったんですね。

こうして、メス であるこのハチは、女王蜂蜂王)と名付られました。

 

「 女王 」という表現は、実態に即していないので、実は、ふさわしくないのですが、

昔からこう言われているので、慣習的 に今も使われているだけなんですね。

でも、リーダー統率者)でないとすると・・・、

 

では、一体、女王蜂は、巣の中で、何をやっているというのでしょうか?

 

 

このことについては、次回書いてみたいと思います。







《 関連リンク 》

 ● クィーン(その2)

 ● クィーン(その3)  : 女王物質(じょおうぶっしつ)!?

 ● クィーン(その4)  : 貯精嚢(ちょせいのう)!?

 ● クィーン(その5)  : 王台(おうだい)!? (その1)

 ● クィーン(その6)  : 王台(おうだい)!? (その2)

 ● クィーン(その7)  : 王台(おうだい)!? (その3)

 ● クィーン(その8)


 ● ミツバチ 社会

 ● ワバチの家族







クィーン(その2)

普段、女王蜂 は、食事から排泄物の処理まで、その生活の 全て を、

働き蜂たちの世話に頼って、言い換えれば、働き蜂に依存 して、生きています。

あたかも、本物の女王様 のようにも見える、このハチの、

 

唯一の仕事 といったら、そう、

 

 

『 産 卵 』

 

 

すること、だけなんです。

 

 

P5231146_SH-50

【 産卵中の女王蜂 】:空いている巣房を見つけては、産卵していきます。

 

 

産卵以外、何もしなくていいなんて、何とも 良いご身分!?

 

とも思いがちですが、さにあらず、実は大変な 重労働 であったりするんです。

 

ワバチの女王蜂の寿命は、2~3年 と言われていますが、

この間、生きている間は、何と、昼夜を問わず、卵を産み続けているんです。

卵だけを産み続ける人生(蜂生!?)なんて、過酷・・・。

 

産卵は、上の写真のように、巣房に、腹部を 突っ込んで 行われるため、

1年も経過すると、腹部の 体毛すり減り、テカテカと 黒光り するようになります。

実は、この腹部を見れば、生まれたての新女王蜂か否かが、判断できるんです。

 

女王蜂は、普段、巣板の中央部にある 蜂児エリア と呼ばれる場所にいて、

休憩 をはさみながら、空いた巣房に、産卵しているのですが、

 

30分 産卵 して、30分 休憩 する。

 

という リズム で、活動を行っています。

この作業が、真冬を除いて、基本的に 一生 続くわけですから、イメージするよりも、

実際は、随分と、過酷な労働 を、強いられているわけです。

 

1日に産む、卵の数は、コロニーの状況 によって大きく変わるようですが、

大きなコロニーでは、数百~千個 程度の卵が、日々、産卵され続けているようです。

 

女王蜂は、産卵以外の仕事は 行いません が、

このため、体の作り も、働き蜂とは、大きく 違っているんです。

 

 

CIMG1431_cr

【 ワバチの女王蜂 】:全身が黒く、頭が小さく、腹が太く長いのが特徴です。

                                多くの産卵により、腹部体毛がすり減り、黒光りしています。

 

例えば、

 

・採餌活動はしないので、後肢の 花粉 を集めて運ぶ 装置こちら)がありません。

 

・巣作りもしませんので、蜂ろう を分泌する、ろう腺こちら) もありません。

 

・仲間を呼び寄せる 集合フェロモン を出す、ナサノフ腺こちら)もありません。

 

 

そして、何と、 の大きさにも 違い があるんです。

(ミツバチをはじめ、昆虫にも、小さいながら、ちゃんと はあるんですよ)

 

元々、体の大きさに対して、頭は小さい のですが、

調べてみると、何と、働き蜂よりも、小さい ことが分かってしまったんです。

(これは、ヨウバチの知見ですが、ワバチも同様だと考えられています)

 

女王蜂の脳が、働き蜂より小さいなんて・・・。

 

にわかには、信じ難いことですが、

更に詳しく調べてみると、主に 記憶情報処理 を行うとされる、

キノコ体 と言われる 脳の一部 が、働き蜂よりも小さいことが分かったんです。

 

これって、もしかして・・・・、

 

女王蜂って、バカなのか!?

 

 

ここだけ見れば、こう思えてしまいます・・・。

これは、いったい、どういうことなのでしょう?

 

この 事実 は、女王蜂が、コロニーの重要な意思決定には、関わっていない

リーダーではない、ということを、暗示 させる証拠の一つでもありますが、

 

産卵だけを行えばよい!?  女王蜂にとって、

それ以外のことを、考える必要は無いわけですから、その能力が 退化 していても、

特に 不思議は無い、ということなのかもしれません。

 

ただ、真っ暗 な巣の中で、何枚にも及ぶ巣板を、往復しながら、くまなく歩き回り、

正確に 卵を産み付けるわけですから、バカと決めつけるには 早計 かもしれませんね。

 

最後に、働き蜂との体の違いで、特筆 すべきなのは、卵巣 の大きさです。

 

働き蜂の 約2倍 の体を持ち、その体の大半を占める、太く、長い、腹部 には、

多くの 卵巣小管らんそうしょうかん)と呼ばれる くだ)が集まった、

大きな 卵巣 が 左右に1つずつ 存在 しています。

 

 

 

卵巣小管

 

 

 

働き蜂も、性別で云えば、メス なので、一応、この 卵巣 を持ってはいるのですが、

これを構成する 卵巣小管 の数は、たったの 数本12本位)でしかないんです。

女王蜂の約 150本(片側)に比べれば、何と貧弱、無いと言えるくらいですね。

(150本といっても、ヨウバチに比べると、半分でしかないんですが・・・)

 

以上のように、女王蜂は、

働き蜂とは、仕事の内容だけでなく、その体の作りに於いても、全く 違う わけです。

つまり、

 

産卵するためだけに、特化した体

 

を持っているハチ、ということになりますね。

 

女王蜂の、約3年間の一生の内で、最も 産卵活動が旺盛 なのは、1年目 ですが、

2年目以降 も、次第に活動は衰えるものの、ほぼ 順調 に産卵を行います。

ただ、3年目に入ると、突然、死んでしまうことがあるようなんです。

 

ちなみに、単枠式の巣箱で飼育している場合などは、採蜜量アップなどのため、

2年目以降の女王蜂を 取り除き、1年目の新女王蜂と 入れ替え ていたりします。

この操作は、近代養蜂ではごく当たり前の、基本的な技術なんですね。

 

こんなに頑張って、産み続けているのに、寿命が近づき、産卵力が低下 してくると、

働き蜂は、この女王は使えないぞ と判断し、見切りをつけてしまうことがあるんです。

何と、巣から追い出して しまうこともあるんですよ。

 

この場合は、事前に 新しい女王蜂誕生させる のですが、ここだけ見てしまうと、

女王蜂と言っても、単に 使い捨ての駒コマ)でしかないとも思えてきます・・・・。

 

働き蜂もそうですが、

全ては家族(コロニー)の為に 生まれ、働き、死んで行く わけです。

諸行無常 は世の常ですが、ワバチの世界も、例外 ではなかったわけですね。

 

その姿は、あたかも

 

「 産卵 マシーン 」

 

にすら見えてくる、女王蜂ですが、実は、産卵以外 にも、

コロニーの存続にとって、とても 重要 な、ある 役割 を果たしているんです。

 

 

この重要な役割については、次回書いてみたいと思います。






《 関連リンク 》

 ● クィーン(その1)

 ● クィーン(その3)  : 女王物質(じょおうぶっしつ)!?

 ● クィーン(その4)  : 貯精嚢(ちょせいのう)!?

 ● クィーン(その5)  : 王台(おうだい)!? (その1)

 ● クィーン(その6)  : 王台(おうだい)!? (その2)

 ● クィーン(その7)  : 王台(おうだい)!? (その3)

 ● クィーン(その8)


 ● 花粉団子

 ● ハチロウ

 ● ナサノフ腺!?







女王物質(じょおうぶっしつ)!?

女王蜂 は、他のことは何もせず、普段は只々、卵を産む ことだけに専念しています。

上げ膳、据え膳、身辺警護から下の世話まで、まるで、メイドの如く、働き蜂 たちは、

女王蜂を 取り囲みロイヤルコート)、甲斐甲斐しく世話を行っているんです。

 

ロヤルコート

【 ロイヤルコート 】:女王蜂の周りを、働き蜂たちが、頭を向けて取り囲みます。

        口移しや、体を舐める際に、女王蜂の出す、フェロモン も受け取っています。

 

 

・食料である、ローヤルゼリー を 口移しで与えたり、

・体を舐めて、きれい にしてあげたり、

・透明な液状の を、舐めとって、処理をしたり、

 

特別待遇 とも云える、この扱いですが、

これだけ、大事 にされているのには、当然、それなりの 理由 があるわけです。

 

ワバチの コロニー家族)にとって、唯一、

新たに 女王蜂 や、働き蜂 を産み出すことの出来る、女王 という存在は、云わば、

 

「 母なる ハチ 」

 

であり、リーダーではありませんが、コロニー の 繁殖存続 にとっては、

欠くことの出来ない、生命線 とも云える、大事な、大事な、存在です。

 

日々、 100匹 近くも減って行くと言われる、ワバチのコロニー内にあって、

働き蜂補充 されない事態は、そのコロニーの 全滅 を意味します。

つまり、女王蜂を 世話 し、守る ことは、

 

 

コロニー全体 にとっても、有益である。

 

 

ということになるんです。(それは、大事にされるわけですね。)

 

このように、産卵 することで、コロニーに 貢献 している女王蜂ですが、

実は、それだけではなく、

 

「 コロニーが 正常に機能 する上で、重要な役割 を果たしている 」

 

ということも、分かってきたんです。

 

例えば、女王蜂 を巣の中から、取り除いてしまうと、

働き蜂が、落ち着きをなくして 騒然 となり、コロニー内に、普段とは違った、

様々な行動変化 が、 起こるようになるんです。

 

これは、いったい、どういうことなのでしょう?

 

様々な方法を駆使して、情報伝達 を行う、ワバチたちですが(こちらを参照)、

その一つに、

 

 

フェロモン  (こちらを参照

 

 

という、方法 があります。

 

フェロモン というのは、つまり、仲間だけに伝わる 言葉 ということなんですが、

実は、女王蜂も、常に、この言葉を、働き蜂たちに対して、発し続けているんです。

 

この フェロモンの分泌 こそが、女王蜂のもう一つの、重要な役割 の正体で、

女王蜂のこの 言葉フェロモン) を聞くことで、働き蜂 たちは、

 

安心して、仕事に専念

 

することが、出来ているんです。

 

実は、働き蜂が、 女王蜂を 認識 できるのは、この フェロモン があるからで、

女王蜂の周りを取り囲む ロイヤルコート と呼ばれる行動も、働き蜂を引き寄せる

この 言葉の効果 によるものなんです。

 

この フェロモン は、

女王蜂の体にある、いくつかの 分泌腺 から、出されていることが分かっていて、

分泌される 場所の違い により、その 成分 や、効果 も違ってくるようなんです。

 

ちなみに、分泌腺(ぶんぴせん)というのは、

例えば、人の汗は、汗腺(かんせん)と呼ばれる、器官から 分泌 されますが、

体内の物質を、体外に出す働きをする 器官 のことを、こう呼んでいます。

 

 

 

 女王物質(その2)

 

 

 

女王フェロモン 」

 

   → 大顎口のこと)の奥にある 大顎腺オオアゴセン)から分泌されます。

      ・主要成分は、ワバチでは 3 種類

          ・9ODA:9-オキソ-2-デセン酸

          ・9HDA:9-ヒドロキシ-2-デセン酸

          ・HOB :p-ヒドロキシ安息香酸

          ・HVA : 4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニルエタノール (これは、ヨウバチのみのようです)

          これらの成分は、単独では、効果が無いようですね。

 

      ・主な働きは、3つ

          ・働き蜂の 卵巣成熟 を抑える。(卵巣の発達制御)

          ・王台女王蜂生産用の巣房)を作らせない。(王台形成の阻止)

          ・オス蜂 引き寄せ る。(雄蜂に対する性誘引物質)

 

 

「(背板腺)フェロモン 」

 

   → 腹部 の背中側にある 背板腺ハイバンセン)から分泌されます。

      ・成分は、よく分かっていない。

          ・1種ではなく、数種類 の物質が出ているようです。

 

      ・働きについては、女王フェロモン と同じ。

          ・働き蜂や、オス蜂の 行動に 影響を与える らしいことが分かっています。

 

 

「 足跡フェロモン 」

 

   → 肢の先つま先部分)にある ふ節腺フセツセン)から分泌されます。

      ・成分は、よく分かっていない。

      ・働きは、王台の形成 を抑制しているらしい。

 

 

そして、これらの  フェロモン総称 を、

 

 

『 女王物質 』 (Queen substance)

 

 

と、呼んでいるんです。

(大顎腺から出る、女王フェロモンのみを、女王物質とする場合もあります)

 

また、このフェロモンは、状況 によって、様々に作用 を起こすので、

 

「 多機能型フェロモン 」

 

と、呼ばれていたりもするんです。

 

この 女王物質 は、

 

・女王蜂に食糧を与える際の、口移し栄養交換と云います)。

・女王蜂の腹部を、舐め取る。(ロイヤルコートの際

・女王蜂の体に、触角で、 触れる

・巣板に付着しているものに、触角で、触れる

・揮発性の成分を、空気を介して、触角で、感じ取る

 

といった、様々 な方法で

働き蜂に 認知 され、また、体内に 取り込まれる ようなんです。

 

 

 

女王物質

 

 

 

働き蜂同士は、食物(ハチミツなど)を、口移し で交換(栄養交換)するので、

これによっても、多くの働き蜂たちに、この 女王物質 が伝えられていきます。

つまり、口を通して経口的に)、巣内に広まっていくわけですね。

 

また、働き蜂が作っている、女王蜂の食料となる、ローヤルゼリー の中 には、

一部、女王物質 となる成分が、含まれていることも分かってきました。

 

つまり、働き蜂 が、女王蜂から 受け取った 女王物質 は、食物 である、

ローヤルゼリー を通じて、再び、女王蜂に 戻されている ということなんです。

 

どうやら、この 女王物質 は、女王蜂と働き蜂の間で、

グルグル回って、循環し、リサイクル されているようですね。

 

 

では、女王物質 が分泌されなくなると、どうなるのでしょう?

 

女王物質というのは、女王蜂が より 若く栄養状態 も良く、

そして、活発な産卵活動 を行っている時には、盛んに 分泌されています。

つまり、元気な時は、(無意識に、勝手に!?)たくさん、出ているわけなんです。

 

ただ、寿命が近付き、体が弱ってくる と、分泌量 が徐々に、少なく なってきます。

 

また、もう 巣房が埋まって しまって、物理的に、産卵出来る場所が無くなるなど、

何らかの原因により、健康でも、産卵しなくなる状況 が、出てきたりもするんです。

こうした場合にも、分泌量が 減って しまうことが、分かって来ています。

 

働き蜂は、この 女王物質の 常に 確認 することで、

 

女王蜂の 安否健康状態、または、コロニー内の状況

 

を、結果的に、知ることが、出来ているわけです。

(ちなみに、30分以内 で、女王蜂の不在に、気付くそうですよ。)

 

 

つまり、分泌量の低下 という サイン兆候)は、

 

「 女王蜂(巣内)に、何か異常が発生して、産卵数が減ってきた 」

 

ということを、意味 するわけです。

 

これは、コロニー全体の存亡にもかかわる 重大事件 ということになりますから、

このサインは、云わば、警戒警報 ということになるのでしょうか。

 

この 警報 が鳴ると、働き蜂たちは、女王蜂 と、自らのコロニーの危機 を知り、

この状況を 打破 するために、遺伝子 に書かれた計画書に従って、動き始めるんです。

 

 

・春先なら、巣別れ(分蜂)の準備をし始めます。

   オス蜂や、新女王蜂を、新たに生産するための、特別の巣房を作り始めます。

  (繁殖が行われないことも、コロニーにとっては危機です)

 

・今の女王蜂が弱って、産卵しなくなってきていたら、

   王台を作って、新たな女王蜂を育て始め、現女王を追い出しに掛かります。

 

・女王蜂が死んでいたら、王台を作って、新たな女王蜂を育て始めます。

 

・新たに女王蜂が生まれてこなかったら、働き蜂が、産卵を始めることもあります。

  (このことについては、後日、改めて書きたいと思います)

 

 

それは、直接的王台作成)であったり、間接的卵巣発達)であったり、

また、季節 や、コロニーが置かれている 状況 によっても、違ってきますが、

 

つまり、危機回避の行動 を、取り始めるわけです。

 

働き蜂たちは、こうした行動を取ることで、正常な状態 に戻そうとするんですね。

 

しかし、遺伝子の中に、云わば、緊急対応マニュアル があるなんて、

 

やっぱり、ワバチは凄い!!

 

 

一方で、この女王物質は、交尾 の際には、

 

オス蜂を呼び寄せる

 

という効果も、発揮 していたりしますから、

聞き取る相手が違うと、同じ言葉 が、違う意味 を持ってくるようですね。

 

何とも 不思議 で、興味深い 物質 です。

 

どうやら、ワバチの世界では、女王蜂女王物質)という 存在自体 が、

コロニーを、正常に機能させる、かねめ)にもなっていたようですね。

 

大事にされる理由は、ここにもあったようです。

 

 

頑張れ女王蜂!!

 

 

 

次回は、女王蜂が隠し持っている、凄技 について、書いてみたいと思います。

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

余談ですが、

女王蜂 と 女王物質 について、

 

本文を読んで、あれっ!? と思われた方もいるかもしれません。

女王物質について調べてみると、

 

女王蜂は、女王物質を分泌することで、

 

・働き蜂たちの、卵巣の発達を抑制し、

・新たな女王蜂候補を育てるための、王台を作らせないようにしている。

 

女王蜂は、こうすることで、働き蜂たちを、

自分のためにだけに、働かせるように、仕向けている。

 

こういった表現で、説明されている文章を、多く見かけます。

 

ただ、この説明では、あたかも、女王蜂が、働き蜂を コントロール しているような、

ちょっと 間違った イメージを、強く与えてしまいます。

 

実際は、栄養状態や、加齢などの、生理条件 によって、分泌量が変動しますので、

「 女王蜂が、自らの意思で、女王物質の量を調節している 」

という可能性は、低い と考えられています。

 

卵巣発達抑制 や、王台形成の阻止、という効果があるのは事実ですが、

別に、女王蜂が、意図して、それを強いているわけではない、ということなんです。






《 関連リンク 》

 ● クィーン(その1)

 ● クィーン(その2)

 ● クィーン(その4)  : 貯精嚢(ちょせいのう)!?

 ● クィーン(その5)  : 王台(おうだい)!? (その1)

 ● クィーン(その6)  : 王台(おうだい)!? (その2)

 ● クィーン(その7)  : 王台(おうだい)!? (その3)

 ● クィーン(その8)


 ● コミュニケーション

 ● ナサノフ腺!?







貯精嚢(ちょせいのう)!?

受精精子と卵子がくっ付き、融合すること )した のことを、

 

受 精 卵

 

と呼んでいますが、

女王蜂は、産卵する際、六角形の巣房 へ、この 受精卵 を産み付けていきます。

 

受精卵、と簡単に書きましたが、実は、この 受精の作業 は、

女王蜂の 意志 によって、行われているのを、ご存知でしょうか?

 

えっ!?

 

これは、いったい、どういうことなのでしょう?

 

ワバチの卵の、受精というのは、実は、それが産み付けられる、直前に行われていて、

女王蜂自身が、意図的 に、卵、1つ1つ に、精子 を 受精 させているんです。

つまり、何と、女王蜂は、自らの意志で、

 

受精 を コントロール

 

している、ということなんです。

 

え~っ!!

 

もちろん、自分の意志で、受精させずに、未受精卵 として産むことも出来ます。

そうです、女王蜂は、

 

卵 の 産み分け

 

をすることが、出来てしまうんです。

 

なっ 何という、凄技!!

 

実は、未受精卵からは、オス蜂が生まれて来るのですが、このことについては、

また別の機会に、改めて書きたいと思います。

 

また、女王蜂は、実は、一生に1度 しか、交尾 を行わないのですが、

この時に、オス蜂たちから受け取った、一生分 の 精子 を、

 

 

『 貯精のう 』spermatheca(受精嚢とも呼ばれます)

 

 

と呼ばれる、卵巣近くの器官に、

何と、生かしたまま、数年間、貯めておく ことが、出来てしまうんです。

 

 

こっ これも、凄業です!!

 

 

 

貯精嚢

 

 

 

何故、精子が、貯精のうの中で、何年も生きていられるのか?

 

このことについては、よく 解っていない ようです。

 

実際には、仮死状態になっているのですが、

貯精のう に付随する、貯精のう腺 といわれる 分泌腺 から出る、特殊な分泌液 が、

どうやら、その カギ を握っているらしい、と考えられています。

(ちなみに、働き蜂は、この貯精のうが退化して、小さくなってしまっています。)

 

女王蜂は、一生、この貯蔵した精子を、使い続けていく わけですが、産卵の都度

ここから精子を 取り出し受精 を行っていたわけですね。

 

単に、卵を 生んでいるだけ にしか見えない 女王蜂 ですが、

やはり、只者 ではありません、こんな 凄技 を、隠し持っていたんですね。

 

 

凄いぞ、女王蜂!!

 

 

 

ところで、この女王蜂って、どうやって生まれてくるのでしょう?

 

このことについては、次回書いてみたいと思います。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

余談ですが、

貯精嚢 について、

 

女王蜂を失えば、そのコロニーは、早晩消滅への道 をたどることになります。

 

精子を 貯めて おいて、一生 使い続ける

 

という、この 凄技 は、

命の危険 を冒して、何度も、巣外へ交尾に出ることを、不要 にしました。

分業 を営む ワバチにとっては、必然 から獲得した技、と言えるのかもしれません。

 

実は、この 貯精する という凄技を持っているのは、

ワバチをはじめとする、ミツバチ だけではなく、スズメバチ類 や、アシナガバチ類

そして、アリの仲間 などの、社会性を持って生活している、

 

社会性 膜翅目 昆虫

 

と呼ばれる、昆虫たちにも見られるんです。

 

どうやら、

社会性の発達にとって、この技は、必要不可欠だった、ということになりそうですね。







《 関連リンク 》

 ● クィーン(その1)

 ● クィーン(その2)

 ● クィーン(その3)  : 女王物質(じょおうぶっしつ)!?

 ● クィーン(その5)  : 王台(おうだい)!? (その1)

 ● クィーン(その6)  : 王台(おうだい)!? (その2)

 ● クィーン(その7)  : 王台(おうだい)!? (その3)

 ● クィーン(その8)







王台(おうだい)!? (その1)

ワバチの巣は、六角形の巣房 が敷き詰められて、出来ていますが、

この巣房は、ハチミツ花粉貯蔵 といった、食糧の貯蔵庫 としてだけでなく、

卵を産むための 産卵室 や、幼虫を育てるための 育児室 としても、使われています。

 

女王蜂は、この 六角形 の巣房に、毎日、産卵し続けているわけですが、必ず、

 

1つの巣房 に対して、1個の卵

 

が、産み付けられているんです。

 

sannrann_thumb13

【 六角形巣房への産卵 】:白く細長いものが、卵(受精卵)で、働き蜂になります。

 

通常、この卵には、女王蜂が 意図的 に(こちらを参照)、受精を行った、

 

受 精 卵

 

が使われていますが、ここで育てられた、子供たちというのは、全て

 

働 き 蜂

 

として、生まれてくることになるんです。

 

では、女王蜂は、どのようにして生まれてくるのでしょう?

 

実は、女王蜂の場合も、働き蜂同様、受精卵 から、生まれて来ています。

女王蜂になる卵 というのは、通常の働き蜂用の、六角形の巣房 にではなく、

専用 の、特別な巣房 に、産み付けられているんです。

 

この、特別仕様巣房 のことを、

 

 

『 王 台 』Queen Cell,Royal Cell

 

 

と呼んでいます。

女王( )のための、高い建物( )という意味があるようですね。

 

王台

【 王 台 】:通常、巣板の下部(先端)に作られ、この中で女王蜂が育ちます。

 

 

しかし、女王蜂というのは、生まれる前 から、特別扱い をされていたんですね。

 

子供を産める 唯一無二 の存在である、女王蜂は、

やはり 特別な存在 なんだ、ということが、 こんなところからも分かる気がします。

 

 

さすが、女王蜂!!

 

 

 

この王台で、その後、どのように女王蜂が、育っていくのか?

 

次回は、このことについて、書いてみたいと思います。







《 関連リンク 》

 ● クィーン(その1)

 ● クィーン(その2)

 ● クィーン(その3)  : 女王物質(じょおうぶっしつ)!?

 ● クィーン(その4)  : 貯精嚢(ちょせいのう)!?

 ● クィーン(その6)  : 王台(おうだい)!? (その2)

 ● クィーン(その7)  : 王台(おうだい)!? (その3)

 ● クィーン(その8)


 ● 巣別れ







王台(おうだい)!? (その2)

女王蜂が育てられる 巣房 というのは、

働き蜂用の、六角形の巣房 とは違い、専用の、特別仕様 で作られています。

この 特別な巣房 のことを、王 台 と呼んでいますが、

 

この中で、女王蜂となる幼虫は、どのように育てられているのでしょう?

 

 

ここで、ワバチの女王蜂が、誕生するまでの流れを、見ていきたいと思います。

 

女王蜂は、働き蜂の場合と違って、常に、育てられているわけではありません。

通常、新たに女王蜂が誕生するのは、春先 初夏4~7月)にかけての、

繁殖期 と呼ばれる時期が、主になります。

 

・働き蜂によって、王椀 が作られます。

   → 働き蜂は、既に存在している、六角形の巣房 とは別に、

       巣板の下部(先端)に、通常の六角形とは 違った形 の巣房を、作り始めます。

       これを、

 

         王 椀 おうわん

 

       と呼んでいるんです。

      (お椀のような形をしているので、こう呼ばれていたりします。)

 

        01

        【 王 椀 】:巣板の下部に、口を下に向けて、お椀状の巣房を作ります。

                          赤い丸印の部分が、王椀です。(日本蜜蜂と遊ぼう より)

 

 

・女王蜂によって、王椀 へ、産卵が行われます。

   → 働き蜂が、王椀を作ると、女王蜂が、その中に 受精卵1つ 産み付けます。

       通常の六角形とは 違う形状 にもかかわらず、何故、ここに産卵をするのか?

       実は、よく分かっていないんです。不思議 ですね。

 

 

・卵は、産卵後 3日で、孵化します。

   → 卵は、巣内の空気中から 水分吸収 して、徐々に膨れて、大きくなります。

       日経ち、卵が 孵化ふか:卵が幼虫になること)して、幼虫になると、

       すぐさま、育児専門 の働き蜂たちによって、王椀の中に、幼虫の 食料 となる、

       大量ローヤルゼリー が、加えられていくことになります。

 

       幼虫 は、この 栄養たっぷり の ローヤルゼリー だけ を食べて、すくすくと、

       育っていくことになるんです。

 

        02

        【 王椀内の幼虫 】:幼虫が浮かぶくらい、ローヤルゼリーは、大量です。

                                   (写真はヨウバチ)

 

 

・孵化後 4日目には、急に大きく、成長を始めます。

   → 幼虫になって、日目になると、更に大量のローヤルゼリー が加えられます。

       また、体も、グングンと 大きく なり、急ピッチで成長していきます。

       同時に、徐々に、王椀の壁も 増築 されて、盛り上がっていくようになるんです。

 

        03

        【 王椀の増築 】:王椀の周りの壁が増築され、徐々に大きくなっていきます。

                                (写真はヨウバチ)

 

 

・孵化後 4~5日目には、王椀が、王台 になります。

   → 幼虫になって、4~5日位経つと、増築 が進んで盛り上がってきた、

       王椀 の入り口が、完全に 塞がれて しまいます。

       正確には、この入り口が塞がれて、完全個室 になった状態の巣房のことを、

 

        王 台 Queen Cell

 

      と呼んでいるんです。

 

        04

        【 王台の中 】:蓋掛け後も、たっぷりのローヤルゼリーを食べて育ちます。

                             (写真はヨウバチ)

 

 

・蓋掛け後、約 1.5日で、蛹になり、先端部が露出します。

   → 蓋がされ、完全に個室となった 王台の中 で、ローヤルゼリー を食べ尽くして、

       大きく育った幼虫は、この中で まゆ)を作って、サナギ になります。

       そして、羽化間近になると、外から 働き蜂によって、王台の 先端部分のロウ が、

       かじり取られ、茶褐色の、 が完全に 露出 します。

 

        05

        【 王台の先端 】:周りの蝋がかじり取られて、中の繭が露出しています。

 

       実は、この王台先端の、繭の露出 は、ヨウバチには見られません。

       これは、女王蜂の羽化を、助ける 効果 があるとも言われていますが、

       何故、ワバチだけに見られるのかは、よく分かっていないんです。

       不思議 ですね。

 

 

・サナギ化後、6日で羽化し、繭を破って出て来ます。

   → サナギになってから、6 日で 羽化うか:サナギから成虫になること)し、

       成虫となった 女王蜂は、繭を破って、王台から出て来ます。

       これを、出房しゅつぼう)と呼んでいます。

 

        06

        【 女王蜂の出房 】:王台先端の繭を、自ら齧って、出房してきます。

                                   (写真はヨウバチ)

 

 

このように、産卵後、計15日 で、新たな女王蜂 が、誕生することになるんです。

 

07

 

 

 

以上が、産卵されてから、女王蜂が誕生 するまでの 流れ になりますが、

つまり、受精卵が、王台 で育てられることで、女王蜂 になるわけです。

 

ただ、実は、王台で育てられる だけで、女王蜂に なれる わけではありません。

ではどうすれば・・・・?

これについては、ひとまず置いておくこととして、

 

実は、働き蜂とは違う、この 特別仕様 の 王台には、

それが、作られる理由によって、3つの種類 に分けられているんです。

 

次回は、まず、このことについて、書いてみたいと思います。







《 関連リンク 》

 ● クィーン(その1)

 ● クィーン(その2)

 ● クィーン(その3)  : 女王物質(じょおうぶっしつ)!?

 ● クィーン(その4)  : 貯精嚢(ちょせいのう)!?

 ● クィーン(その5)  : 王台(おうだい)!? (その1)

 ● クィーン(その7)  : 王台(おうだい)!? (その3)

 ● クィーン(その8)







王台(おうだい)!? (その3)

女王蜂は、専用の 王台 という 特別な巣房 で、育てられますが、この 王台 には、

実は、それが、作られる理由によって、3種類 の呼び名が付いているんです。

 

 

分蜂王台 ぶんぽうおうだい( Swarming Cell )

   → 分蜂(繁殖行動)の為に、作られる王台です。

       繁殖(こちらを参照)の際には、新たな女王蜂 を生み出す必要があり、

       この時に作られる、王台のことです。(自然王台 とも呼ばれます

       コロニーの規模などによって、その数は、変わるようですが、繁殖期を通じて、

       数個 ~10個前後 の王台が作られるようです。

       普通、「 王台 」と云えば、この 分蜂王台 のことを指します。

 

        oudai

        【 分蜂王台 】:赤丸印の部分が分蜂王台です。巣板の下部に、複数作られます。

                               更新王台との違いは、外見からでは分かりません。

 

 

更新王台 こうしんおうだい( Supercedure Cell )

   → 女王蜂の、交換更新)の為に作られる王台です。

       女王蜂の産卵力が衰えてくると、働き蜂たちは、新たな女王蜂と 交換 しようと、

       王台を 作り始めます。この時に作られる、王台のことです。

       (換王王台 とも呼ばれます)

       一見しただけでは、分蜂王台との 区別 はつきません。

 

 

変成王台 へんせいおうだい( Emergency Cell )

   → 女王蜂不在により、緊急対策的 に作られる王台です。

       女王蜂が、急死するなど、何らかの理由によって、突然不在 になった場合に、

       新たに女王蜂を誕生させようと、急遽、作られる王台のことです。

       ただ、ヨウバチに比べ、ワバチでは、あまり 作られない 傾向にあるようです。

       これが何故なのかは、よく分かっていません。

 

        hensei

        【 変成王台 】:働き蜂用の六角形の巣房を、改造して作られます。

                             (写真はヨウバチ)

 

 

これらは、名前こそ、異なって いますが、

いずれも、女王蜂 が育てられる、特別巣房 であることに、変わりはありません。

(英語の意味を調べると、種類の違いがよく分かりますね。)

 

 

 

王台0

 

 

 

王台が作られるのは、通常は、繁殖期分蜂王台 に限られるのですが、

寿命など、何らかの理由により、産卵力が衰え、女王物質こちらを参照)の分泌が、

減ると、女王蜂を更新する為に、繁殖期以外 でも、更新王台 を作り始めるんです。

 

これら、2種 の王台は、基本的に、

 

 

王 椀  →  産 卵  →  育 児  →  王 台(分蜂・更新)

 

 

という 流れ で、新たな女王蜂が、生まれてくることになります。

ただ、他の2種の 王台の場合とは違い、

 

変成王台

 

だけは、ちょっと、特別な経緯 で、作られていくんです。

 

この王台は、女王蜂が いなくなって しまった場合に、作られるものなので、

働き蜂が、通常の手順で、王椀 を作っても、既に巣内に存在していない 女王蜂 が、

ここに 卵を 産み付けてくれることなど、ありえません

 

そこで、働き蜂たちは、緊急対策 として、急遽

本来、働き蜂として 生まれるべく、六角形の巣房に産卵されていた、

 

受精卵)  や   幼虫孵化後3日以内まで

 

を探し出し、その巣房のいくつかを、

何と、女王蜂用の巣房である、王台変成王台)に、作り変えてしまうんです。

 

この変成王台は、緊急事態 により作られますので、

他の2つの場合の王台よりも、一度に作られる個数が 多い 傾向にあるようですね。

数撃ち当たる!?  というやつでしょうか・・・。

 

 

受精卵捜索  →  王椀に改造  →  育 児  →  変成王台

 

 

つまり、既に産み付けられていた、受精卵 や 幼虫を利用 して、

その場所に、王台を作ってしまうわけですね。

何としても、危機回避 を図ろうとする、執念 のようなものを感じてしまいます。

 

ただ、こんな強引な方法でも、女王蜂が生まれてくるのでしょうか?

 

大丈夫なんです。

 

何と、やっつけ仕事 のようにも見えてしまう、こんな方法でも、

ちゃんと、女王蜂が 誕生 してきてしまうんです。

 

え~!?

 

あれっ!?  ここで、一つ、疑問が湧くはずです。

何故、働き蜂になるはずの 卵 や 幼虫 が、女王蜂 になれるのでしょう???

 

 

次回は、この秘密について、書いてみたいと思います。







《 関連リンク 》

 ● クィーン(その1)

 ● クィーン(その2)

 ● クィーン(その3)  : 女王物質(じょおうぶっしつ)!?

 ● クィーン(その4)  : 貯精嚢(ちょせいのう)!?

 ● クィーン(その5)  : 王台(おうだい)!? (その1)

 ● クィーン(その6)  : 王台(おうだい)!? (その2)

 ● クィーン(その8)


 ● 巣別れ







クィーン(その8)

女王蜂と働き蜂は、共に 受精卵 から、生まれて来ていますが、

変成王台こちらを参照)に見るように、本来、働き蜂になるべく、産卵された卵が、

途中、王台に 改造 されることで、女王蜂になることが出来ます。

 

この事実は、何を意味するのか?

 

そう、女王蜂 も 働き蜂 も、共通の卵 から、生まれることが出来る。

 

ということなんです。

実は、女王蜂になる卵というのは、

働き蜂のものとは、遺伝的な違い は無く、全く同じ ものだったんです。

 

えっ、え~~っ!!!

 

この 驚愕の事実 を、初めて教えてもらった時、

私は、ビックリ仰天 して、腰を抜かしそうになってしまいました。(ウソです)

ただ、ミツバチや、生物の奥深さを知る、大変貴重な体験 となりました。

 

 

受精卵

 

 

さて、新たな発見は、さらなる 疑問 を呼ぶものです。

 

では、どうして、卵は同じなのに、違うモノになれるのでしょう?

 

・六角形の巣房に産卵されれば、働き蜂に、

・王椀に産卵されれば、女王蜂に、

 

王台(その2)でも書いたように、

産み付けられる場所 の違いによって、その後の 運命 が変わってしまう。

 

これも事実なんですが、実は、これだけでは 駄目 で、

幼虫期に与えられる、食物の違い が、大きく関わっていることが分かったんです。

 

女王蜂は、孵化した初日から、大量にローヤルゼリー を与えられますが、

働き蜂の方は、孵化後、最初の 3日間 だけ、ワーカーゼリー と呼ばれる、

ローヤルゼリーを 半分位に薄めた、少し栄養価の低い ミルク が、少量与えられます。

 

そして、4日目以降からは、花粉とハチミツ に変わってしまうんです。

 

詳しく調べてみると、何と、幼虫 時代に、

 

ローヤルゼリー

 

だけを、大量に 食べ続ければ、女王蜂になる ことが、分かったんです。

ただ、孵化して、3日を過ぎる と、ローヤルゼリー を与えても女王蜂には ならない

ということも、分かりました。

 

つまり、幼虫になって、3日以内 であれば、

それまで 働き蜂になるべく、ワーカーゼリー を食べていた幼虫も、まだ間に合う、

まだ女王蜂になれる、ということだったんです。

 

変成王台 を作る際に、働き蜂が、卵や、孵化後 3日以内の幼虫 を 探し出し

この巣房を 王椀に改造 するのも、これで、うなずけますね。

実験で、女王蜂を作り出す際にも、この3日以内の幼虫が使われるんですよ。

 

どうやら、王台だけでなく、ローヤルゼリー にも、秘密 が隠されていたようです。

 

では、ローヤルゼリーの何が、女王蜂にさせているのでしょう?

更なる疑問が湧きますが、このことについては後日、改めて書いてみたいと思います。

 

 

受精卵2

 

 

受精卵 が、女王蜂になる、その 秘密 は、

 

 

・卵が、産み付けられる場所   ⇒   王 台王椀

 

・幼虫が、与えられる食物      ⇒   ローヤルゼリー

 

 

この2つに、あったんですね。

いずれも 特別仕様特別待遇 になっているわけで、

やっぱり、女王蜂は、生まれる前から、別格 だったというわけですね。

 

 

おぉ、女王様!!

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

余談ですが、

女王蜂の食べ物について、


 

女王蜂の食べ物は、ローヤルゼリー のみだって、ご存知でしょうか?

 

女王蜂は、孵化してから、大量のローヤルゼリー を与えられて、育ちますが、

羽化してからも、働き蜂のように、花粉やハチミツは 口にせず、死ぬまで、

一生、ローヤルゼリー を与えられ、これを食べ続ける、と云われています。

 

事実、女王蜂の フン)は、働き蜂と違い、透明な液体状 になっていて、

解剖して調べても、腸内に、固形物 は見つからないようです。

固形物である 花粉 を食べていないことは、このことからも明らかですね。


 

卵巣の発達 を維持し、無尽蔵とも思えるほど、大量の、

卵の素もと)ともなっていたのは、この ローヤルゼリー だったんですね。

 

ただ、ハチミツ は、時々、舐めているようなんです。

 

女王蜂は、産卵と休憩を 30分毎 に繰り返しますが、

休憩時には、働き蜂たちから、ローヤルゼリーをもらって 食事 もしています。

この休憩時に、ハチミツを 自分で舐めていた という観察結果があります。

 

いつもではないようですが、たまには、食べることもあるようですね。

 

女王蜂にとっては、単なる、おやつ代わり!?

 

なのかもしれませんね。

 

ちなみに、交尾飛行や、分蜂の際など、巣外へ飛び立つ際にも、直前に、

このハチミツを、大量に食べていたりします。







《 関連リンク 》

 ● クィーン(その1)

 ● クィーン(その2)

 ● クィーン(その3)  : 女王物質(じょおうぶっしつ)!?

 ● クィーン(その4)  : 貯精嚢(ちょせいのう)!?

 ● クィーン(その5)  : 王台(おうだい)!? (その1)

 ● クィーン(その6)  : 王台(おうだい)!? (その2)

 ● クィーン(その7)  : 王台(おうだい)!? (その3)







プロフィール

やっこ

Author:やっこ
ニホンミツバチに関する様々なことを、
気ままに思いつくまま書いてます。
可愛く癒されるワバチの魅力を、たくさん発見したいと思っています。

アルバム
お知らせ!!
ブログに関する、お知らせをしています。

(現在、不定期に更新しています。)


・系図・作成ツール 公開!! → こちら


・採餌圏MAP 公開!!
 → こちら

Gallery
最新記事
ブログ内 検索
カテゴリ
月別アーカイブ
記事一覧

記事の一覧表示


管理画面 ( )
最新コメント
やっこ の オススメ書籍

ワバチに関する、おすすめの本です。

ぜひ、読んでみて下さい!!




ニホンミツバチが日本の農業を救う



ハチはなぜ大量死したのか