略奪

オオスズメバチは集団襲撃により、ワバチの巣を乗っ取ってしまいます。

すると、まるでそこが 我が巣 でもあるかのように振る舞い始めるのです。

 

占領後は、その中にいる幼虫、蛹、ハチミツ全てを自分たちの巣へ持ち帰ります。

巣の規模によっても違ってきますが、その期間、10日~2週間位でしょうか。

全て略奪し尽くすまで、これを繰り返すのです。

 

【 占領・略奪時の様子1 】:略奪時は必ず巣門を見張る門番がいます。

 

巣門前では、

見張りのハチが目を光らせていて、近付くものに対して、常に警戒を行っています。

巣に近づく他のハチに対しては、

触覚 で同巣の仲間か否かを見極めています。

 

仲間だと判明すると、何故か口移しで 栄養交換(液状の食物を口移しでやりとりすること)を行います。

樹液などを吸っている場合にも、後からやってきた仲間に対してよく行うのですが、この行動(栄養交換)がなぜ行われるのか不思議です。

 

もちろん敵だと判断すると、噛みついて攻撃し追い払います。

 

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【 門番蜂 】:近付くものに威嚇をします。

 

【 占領・略奪時の様子2 】:敵と思われる場合は威嚇をします。

この自然巣は、ヨウバチが営巣していたのですが、簡単にやられてしまいました。

 

実は、人が最も気を付けなければならないのは、この時 なんです。

 

襲撃時は、そのこと以外眼中にないようで、近くにいても人は 無視 されるのですが、

一旦、占領すると、今度は一転、

略奪が終わるまで、占領巣の防御をするようになるのです。

 

近付くだけで 威嚇 され、稀ですが、時には攻撃されることもあったりします。

私もカメラで撮影中、レンズに体当たりされたことがあります。

(怖かった・・・・。)

 

この時だけは近付かない方が無難でしょう。

ただ、よーく見ていると、危険か否かは 肌で 分かるようになります。

表情、態度などで、その人の今の感情が分かるのと全く一緒の感覚ですね。

オオスズメバチに対したら、まずは空気を読み、危険度を察知できるようになれば、もう何も怖くありません。

 

オオスズメバチ、見た目は本当に怖いのですが、

じ~っと観察し続けていると、

 

「 ちょっとかっこ良い!? 」

 

そして、その動きや仕草は、何だかワバチのそれにも見えてきます。

これは正直私にも意外な発見でした。

 

なんだ、ガタイの大きなワバチじゃないか!!

そう思うと何だか可愛くすら見えてくるのは何故でしょう?

こんな私は変態でしょうか・・・・。

 

同じ高度な社会性を持つハチ同士と考えると、

仕草や行動様式が似てくるのも当然なのかもしれませんね。

 

 

少し親近感を感じてしまうのは、私だけですね、きっと・・・・。





《 関連リンク 》

 ● 極道

 ● 偵察(オオスズメバチ襲撃①)

 ● 単独襲撃(オオスズメバチ襲撃②)

 ● 集団襲撃(オオスズメバチ襲撃③)

 ● 熱殺蜂球(オオスズメバチ襲撃④)










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熱殺蜂球

ワバチは、オオスズメバチの 集団襲撃時、巣内に侵入して来た敵に対して、

必殺技 を繰り出します。その名も、

 

 

「 熱 殺 蜂 球 」

 

 

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【 熱殺蜂球 】:オオスズメバチを完全に取り囲んで熱殺します。

左下の写真は熱殺時のサーモグラフィー。赤く見えるのが高温になっている部分です。

( 玉川大学農学部HPより こちら

 

この技、実は キイロスズメバチ に対しても頻繁に行うんです。

不用意に近付いたキイロスズメバチは、この技によって 蒸し殺され ます。

 

ここで熱殺蜂球を動画でお見せしたいところなんですが、

残念ながら、未だ動画撮影に成功していません・・・・・。

そこでNHKさんの番組動画がありましたので、勝手にリンクさせて頂きました。

 

【 熱殺蜂球の様子 】:NHKの番組(ダーウィンが来た)より

 

数百匹のハチが、一斉にオオスズメバチを 取り囲んで 行ったかと思うと、

見るみるうちに、ハチの ボール が出来上がります。

 

ここで、翅を動かすための 飛翔筋こちらを参照) を動かして発熱し、

蜂球内部をオオスズメバチの 致死温度 (44~46℃) を上回る、

 

46~48℃

 

に上昇させ、熱殺してしまうんです。

 

この時、ワバチがなぜ死なないのかというと、

ワバチの致死温度が、 48~50℃ だからなんです。

 

その差 2℃ という、ギリギリの攻防なんですね。

この温度は、ワバチの脳内で感知され、調節されているようです。

温度が上がり過ぎないよう、ちゃんと温度調節も出来るんですね。

 

また、蜂球内は、高温だけでなく、能動的に 高湿高濃度のCO² にしているようで、

この環境下の方が、単に高温であるよりも、スズメバチの 致死温度 が下がるんです。

これは、より低い温度熱殺 できる ということで、効率よく、熱殺している

とも云えますね。

 

このようにして、集団で 組織的 にオオスズメバチに対することにより、

ワバチは、強大な敵 にも対応しているのです。

 

凄いぞ、ワバチ!!!

 

 

ここで疑問が湧きます。

 

ワバチは何故、針を武器にしないのか?

 

ミツバチはスズメバチに対し、針を使って刺すことは出来ないのでしょうか。

スズメバチの体は 外骨格 という、固い殻のようなもので覆われているため、

この部分に針は通りません。

 

刺す事が出来るのは、頭部と胸部の間の部分(人間で云えば の部分)だけでしょうか。

 

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【 オオスズメバチの首!? 】:ここに刺せれば、刺殺できます。

 

ここに首尾よく刺す事が出来れば、刺し殺すことは可能なんです。

ただ、刺す前にことごとく噛み殺され、多数の犠牲が出るため、ワバチはこの戦法を採用しなかったようです。

実際にセイヨウミツバチは、この方法でオオスズメバチに立ち向かいます。

しかし、ことごとく噛み殺され、その巣はあっと言う間に全滅してしまうのです。

 

刺針行動 ではなく、熱殺蜂球 によって反撃する術を獲得したワバチですが、

大勢のオオスズメバチに踏み込まれてしまうと、もう手の施しようがありません。

 

事、ここに至ったワバチたちは、最後の手段に打って出るのです。

 

「 撤 退 」

 

そう、逃去 するのです。

 

【 逃去の様子 】:逃げ出したハチ達が、元巣近くで集まっています。

これは、ワバチがオオスズメバチの集団襲撃から逃げ出した時のものです。

元巣の近くには、多くのハチが集まって蜂球を形成していました。

(ここに女王蜂は存在していませんでした。)

そして、一匹一匹、エネルギー切れにより、地面に落ちて死んでいったのです。

また、他の多くのハチはどうして良いか分からない様子で、周囲をブンブン飛び回っていましたが、力尽き、落ちて死んでいきました・・・・・。

 

 

最後の手段は、

巣にある幼虫・蛹・ハチミツ・花粉、その 全てを放棄 して皆で逃げ出すことなのです。

ただ、全てを失ったハチ達は、死滅する場合が殆どのようです。

 

この後、オオスズメバチは、ワバチの巣を我が物顔で占拠し、戦利品として

その中にある全ての幼虫、蛹、ハチミツを自分たちの巣へ持ち帰って行きます。

 

この占領と略奪については、次回書きたいと思います。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

余談ですが・・・・・、

蜂球について

 

ワバチが熱殺戦法時に使うこの蜂球、実は セイヨウミツバチ も使うんです。

両種とも「蜂球」という技でスズメバチを倒すことが出来るのですが、

倒し方に違いがあるのです。

 

・ワバチ(トウヨウミツバチ)の場合は蜂球による「熱殺」です。

→  組織的にスクラムを組んで完全に取り囲み、スズメバチの致死温度を作り出し蒸し殺すという方法です。

云わば チームプレイ ですね。

 

・セイヨウミツバチの場合は蜂球による「刺殺」です。

→  一匹一匹が単独で寄ってタカって取り囲み、結果蜂球になります。

そして動きが鈍くなったスズメバチの首元に針を刺し毒殺するという方法です。

云わば スタンドプレイ ですね。

スズメバチに限らず、敵となる他の昆虫に対しても行います。

(こちらを参照 :

 

何故このような違いが生じるのか?

 

ミツバチは、進化の過程で外敵から身を守る術をその DNA に刻み込んできました。

熱帯アジア起源のトウヨウミツバチの周りには、自分たちを死滅させる程の外敵として、熊などをはじめとした哺乳動物や、オオスズメバチ が存在していました。

 

世界中にいる多くの種類のスズメバチの中でも、このオオスズメバチだけが 特別 で、

ミツバチを 全滅 に追いやる力を持っていたのです。

 

このオオスズメバチの脅威というものは本当に凄まじく、

自然界でのミツバチ巣全滅理由の8割以上が、このオオスズメバチが原因と言っても過言ではないでしょう。

 

一方、アフリカ起源のセイヨウミツバチの外敵は 哺乳動物 が主で、

他の種類のスズメバチはいても、オオスズメバチは生息していませんでした。

両種共に哺乳動物に対しての防御手段として、刺針行動 を発達させましたが、

 

トウヨウミツバチ(ワバチ)の場合は、

オオスズメバチに対抗するための「 熱殺戦法 」をも身に付けてきたのです。

 

熱殺戦法を持つワバチですが、

この戦法が有効なのは少数のオオスズメバチに対してだけです。

一度に多数のオオスズメバチが巣内に侵入した場合には簡単に殲滅させられてしまいます。(入口が広いか狭いかが生死を分けます)

 

また、DNAに熱殺戦法を持たないセイヨウミツバチは、

オオスズメバチに攻められると、組織的な防御行動は一切取らず、

個々に立ち向かってゆくので蜂球が出来る前に、ことごとく噛み殺される場合が殆どです。

ただ、蜂球を作り易くするために、雨どいのような溝を作ってやると、

効率はあまりよくありませんが、それでもその中で蜂球を作り刺殺することが出来ます。

 

外敵からの防御手段には、蜂球や刺針行動だけでなく、他にも様々なものがあることが知られています。

実際は、その複合的な行使により外敵から身を守っているのです。





《 関連リンク 》

 ● 極道

 ● 偵察(オオスズメバチ襲撃①)

 ● 単独襲撃(オオスズメバチ襲撃②)

 ● 集団襲撃(オオスズメバチ襲撃③)

 ● 略奪(オオスズメバチ襲撃⑤)


 ● フライト マッスル (飛翔筋)










(最終更新日:2015.02.08)
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集団襲撃

オオスズメバチは、首尾良く集合フェロモン付けに成功すると、

今度は集団で攻めてくるようになります。

 

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【 集団襲撃 】:集団で組織だって攻撃を仕掛けます。

 

この集団襲撃は、私の経験上、雨の日の翌朝、晴天の場合に行われています。

特に、9月の後半頃やって来る 台風一過の早朝(まさに今日のような日)が最も多いようです。(今年は確認できませんでした・・・・)

襲撃が朝なのは、恐らくその後の略奪に時間を長く割けるからで、つまり、一日を有効に使えるからではないでしょうか。

 

推測ですが、恐らく襲撃の日は、

初めから巣内は、集団戦闘モード に入っているのではないかと思われます。

 

過去に、100m圏内にある4つの自然巣が、

同時 に襲撃されるのを目撃したことがあります。これは、

その日に襲撃することを事前に示し合せ、組織的に動いてるとしか考えられません。

 

普段の単独襲撃は、

単にこの時(本番!?)の為の 予行練習 なのかもしれない!? とさえ思ったりしています。

 

集団襲撃までの手順は、

まず、偵察時に目星を付けていた、ワバチの巣を知っている個体が、集合フェロモンを巣門周辺に付けます。

 

すると、臨戦態勢で近くを飛ぶ仲間たちがすかさずやって来きて、一気呵成に攻め込む。

このような手順を踏むようです。

 

【 集団襲撃の様子 】:次々と仲間がやってきて、殺戮を繰り返します。

これは、斜面下の土留め裏の自然巣です。次々に侵入され、殺戮されていきます。点々と転がっているのは、ワバチの死体です・・・・。

 

攻め込むと、抵抗するワバチたちをことごとく 噛み殺し てゆくのです。

 

この集団襲撃を観察していると、

 

・勢力が 弱い と思われる巣から、優先的に襲撃される。
・勢力はあっても、入口が 広い 巣は、結局殲滅させられる。

 

ということが分かりました。

 

つまり  弱小群 入口の広い巣

これらは自然界ではことごとく攻め込まれ、虐殺の憂き目に遭うのです。

 

どうやら、自然界でワバチが生き残るためには、

オオスズメバチが入り込めない、狭い巣門の住処が 絶対条件 のようです。

これは、飼育する場合も同じことが言えるでしょう。

 

 

 

一方、オオスズメバチに対するワバチ側の対応は、

 

集団襲撃が始まると、

一切外には出ず、巣内へ引き籠り、防御態勢を取ります。

そして、巣門付近に皆で集合し、巣内で決戦に向け待ち構えるのです。

 

巣門へ近づいてくると、シマリング と呼ばれる威嚇行動を行います。

これは、皆で翅を震わせて威嚇音を発する行動です。

 

オオスズメバチの攻撃が開始されると、巣門には多くの敵がやって来ます。

侵入を許した場合、この敵に対して、ワバチは必殺技を繰り出すのです。

その名も、必殺!!

 

熱 殺 蜂 球

 

TVや、ネット映像などで放映され、すっかり有名になったこの戦法は、
ワバチにしか出来ない 必殺技 なのです。

 

 

この「 熱殺蜂球 」、いったいどんな技なのでしょう?

これについては、次回書きたいと思います。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

余談ですが・・・・・、

防御実験について、

 

入口の広い物件(巣)は、どう救えばいいのか?

 

以前、試しに2つの自然巣の巣門を、防御してやったことがあります。

 

・枯葉で巣門前を軽く覆ってやる。

 

たったこれだけのことでしたが、

結果は、

 

1つ目の巣は、覆った箇所からの侵入はありませんでした。

しかし、何と違う侵入口を見つけ出し、齧られ、こじ開けられて攻め込まれてしまいました。

 

集団戦法を組織できる能力といい、現場での臨機応変な対応といい、

オオスズメバチも、ワバチに勝るとも劣らない賢さを備えているようです。

 

オオスズメバチ、恐るべし!!

 

そして、

2つ目の巣では、何と無事生き延びたのです。

何もしない場合は、毎年オオスズメバチにやられていた巣だったので、枯葉作戦の効果があったということです。

 

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【 自然巣の防御 】:枯葉で巣門周辺を多い隠しています。

 

これは、オオスズメバチにしてみれば枯葉をかき分けて侵入しなければならず、

思わぬところから飛び掛かられるという、

ワバチに 捕まり易い状況 が出現した為ではないかと想像しています。

 

また、元々、強群だったことも功奏していたと思います。

別に枯葉でなくても同じ状況を作り出せれば良い訳で、今後のヒントになりそうです。

 

これを読んでいただけた方の中で、

巣門の広い自然巣を見つけましたら、この時期どうぞ枯葉を掛けてやって下さい。

 

よろしくお願いします。





《 関連リンク 》

 ● 極道

 ● 偵察(オオスズメバチ襲撃①)

 ● 単独襲撃(オオスズメバチ襲撃②)

 ● 熱殺蜂球(オオスズメバチ襲撃④)

 ● 略奪(オオスズメバチ襲撃⑤)


 ● シマリング







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単独襲撃

オオスズメバチは、ワバチの巣を襲撃する前に、

その巣が強いか弱いかを見極めようと 偵察 にやって来ます。

 

巣門に取り付き、仲間を呼び寄せるフェロモンを巣門周辺に擦り付けるのです。

そうはさせまいと、一斉に巣門から出てきたワバチ達は、このフェロモンを 消し去る 作業に入ります。同時に、自分たちの勢力(戦力)が如何に強大かを見せ付けるのです。

 

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【 単独襲撃時の巣周辺と巣門の様子1 】:白樫の樹の自然巣。赤丸は巣門部分

 

 

【 単独襲撃時の対応1 】

その周囲に取り付き、オオスズメバチ(この時は2匹でした)を牽制しながらも、普通に採餌活動は続けています。ワバチのしたたかさが分かる一面です。

 

 

ただ、その場所をすでに知っている個体は、単独で攻撃を仕掛けてきます。

この際、すでに巣門周辺に広がったワバチたちは、自らの戦力を誇示し、巣の周りをブンブン飛び回りながらオオスズメバチを牽制します。


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【 単独襲撃時の巣周辺と巣門の様子2 】:ミモザの樹の自然巣。

 

 

【 単独襲撃時の対応2 】

巣門周辺を覆い尽くして、オオスズメバチを牽制します。この時、キイロスズメバチに対して行うお尻フリフリを行っているのが分かります。

ただ、近付かれると逃げ惑い、捕まって餌食になる者も出ます。

 

 

しかし、隙を突かれてやられてしまう場合もあります。

ただ、この時点では単独攻撃の為、キイロスズメバチ同様大した被害は出ません。

 

このように、単独襲撃は何とかやり過ごせても、その後の集団襲撃が待ち受けているのです。

 

この 集団襲撃 については、次回書きたいと思います。





《 関連リンク 》

 ● 極道

 ● 偵察(オオスズメバチ襲撃①)

 ● 集団襲撃(オオスズメバチ襲撃③)

 ● 熱殺蜂球(オオスズメバチ襲撃④)

 ● 略奪(オオスズメバチ襲撃⑤)










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偵察

オオスズメバチの襲撃は、4段階を踏むようです。

 

・偵察

・単独襲撃

・集団襲撃 & 虐殺

・略奪

 

普段はワバチなど、見向きもしないオオスズメバチですが、

晩夏から秋に掛けて、その状況は一変します。

 

子育ての為、大量の餌が必要となるこの時期、

ワバチの巣を襲おうと匂いを頼りに探し始めるのです。

 

その鼻!? の探知能力は素晴らしく、

私などでは気付けなかった場所も、簡単に探し当ててしまいます。

 

巣を発見すると、

初めは、近付いて周りを飛び回り、その様子を 観察 します。

この偵察では、どうやらこの巣内の蜂数が多いか否か、

つまり 戦力 を見極めているようです。

 

ワバチ襲撃の際は、圧倒的強さとはいえ、オオスズメバチ側にも犠牲が出ます。

命懸け の攻撃になるので、なるべく蜂数の少ない巣を選んでいるのです。

 

観察が終わると、次に巣門前に降り立ち、門番蜂に詰め寄ります。

 

 

一方、ワバチ側は、

これを契機にして、オオスズメバチに対応すべく 防御作戦 を決行します。

その計画書は、オオスズメバチとの数十万年に渡るせめぎ合いの中で、

ワバチ達の DNA に書込まれたものです。

 

巣門前に取り付かれると、突如、一斉にワバチ達は巣の中に逃げ込みます。

ひとまず身を隠し、中で様子を伺っているようです。

 

この間オオスズメバチは、仲間を呼ぶための集合フェロモンを巣門部周辺に擦り付け、いったんその場から飛び去ります。

 

すると、今度は逆に一斉に巣から出て来て、

巣門周辺一帯を 覆い尽くす ようになるのです。

 

1

 

【 オオスズメバチへの防御行動1 】:巣門周辺を覆い尽くします。

これは実験的に、オオスズメバチを巣門に付けた後、取り去ってみた時のものです。

取り付けると、一斉に巣内に入り、取り去ると、一斉に出てきました。

 

 

2

 

【 オオスズメバチへの防御行動2 】

これは、自然巣での防御行動です。周辺には1匹、オオスズメバチが飛んでいました。

 

これは、ワバチが自分たちの勢力(戦力)を誇示し、オオスズメバチに襲撃を諦めさせる狙いもあるようです。

 

そして、この時同時にフェロモンが付けられた部分に一斉に齧り付き、黒いヤニのような塊を付けて、匂いを消し去ろうとします。

 

3

【 ヤニ付け 】:オオスズメバチが付けた集合フェロモンを消し去っています。

写真の赤丸部分がヤニです。(成分は不明)

 

これは匂いの目印を消して、敵援軍が辿り着けないようにしているようなのです。

 

これにより、一時的に集団攻撃を回避できますが、

この場所を知る個体はまたやってきて、単独 でワバチを襲おうとします。

 

 

この 単独襲撃 については、次回につづく・・・・。





《 関連リンク 》

 ● 極道

 ● 単独襲撃(オオスズメバチ襲撃②)

 ● 集団襲撃(オオスズメバチ襲撃③)

 ● 熱殺蜂球(オオスズメバチ襲撃④)

 ● 略奪(オオスズメバチ襲撃⑤)










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極道

それは、突然やって来る。 悪魔の顔してやって来る。


「 オオスズメバチ 」


世界最大である、このスズメバチは、

9月の台風一過の早朝、集団でワバチの巣に襲来します。

 

その襲撃の恐ろしさは、極道 のイメージそのもの。

 

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【 オオロスズメバチ 】:世界最大のスズメバチ(日本に居るのは日本亜種です)

 

日本にいるスズメバチの中で、ワバチに悪さをするのは、

主に キイロスズメバチ とこの オオスズメバチ の2種類だけです。

キイロスズメバチは、チンピラの如くしつこく纏わりついてきますが、

所詮チンピラ、大した敵ではありません。

 

本当に怖いのは、この極道、オオスズメバチ だけなんです。

奴らは集団で一気に巣を襲撃し、全てを奪い尽くしてゆきます。

抵抗する者をことごとく瞬殺し、巣内全ての幼虫・蛹を略奪し尽くすのです。

 

その光景を間近で見ていると、まさに、

 

蹂 躙虐 殺強 奪

 

といった言葉がピッタリ、

阿鼻叫喚の地獄絵図とはまさにこのことか、と思う程です。

血も涙もない殺人鬼のようにすら見えてきます。

 

 

何故、初秋に襲ってくるのか?

 

それは、獲物が少なくなる季節にも拘らず、大量の餌が必要になるからです。

オオスズメバチに限らず、スズメバチ類・アシナガバチ類は、

冬を乗り越えられずに全てが死に絶えます。

 

ただ無駄死にはしません。

 

死ぬ前に次世代を残す為の、大仕事を始めるのです。

毎年、秋頃になると、来年活躍する次世代の新女王蜂を大量に産み、育て始めます。

同時に交尾相手となる、多くの雄蜂も育て始めるのです。

 

この為、大量の餌(タンパク質)が必要になります。

働き蜂は大変です。

多くの子供たちを育てるため、命懸け の狩りをすることになるのです。

 

だんだん寒くなってくるこの季節、

セミなど獲物となる昆虫たちも少なくなってきています。

 

こんな過酷な状況下では、タンパク源となる大量の幼虫や蛹を保有する 、

ミツバチ他のスズメバチ たちの巣は、垂涎の獲物となってしまうのです。

 

 

そして、その時はやって来ます。


この襲撃の手口については、次回以降、詳しく書きたいと思います。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

余談ですが・・・・・、

 

人の視点で見ると、

非常に残虐非道に見えてしまうこの襲撃ですが、

オオスズメバチも「生き残る」という本能に従って動いているだけで、

それは、ワバチや人間と何一つ変わりありません。

 

そこに是非は無く、あるのは、本能 だけ、

言い換えれば、弱肉強食の厳然たる事実だけです。

欺瞞に満ちた人間に比べれば、その動機は純粋そのものなんです。

 

その見た目の怖さ、TVなどでの恐怖映像で、

すっかり、悪者に仕立て上げられてしまっているオオスズメバチですが、

私もワバチを通してこのハチを知るまでそう思い込んでいました。

無知は罪悪ですね。

 

見方を変えれば、害虫を駆除してくれる 益虫 という側面を持っています。

また、生態系の頂点にいる昆虫として、ワバチや、他のスズメバチ類の数が増え過ぎないよう、調整してくれる大事な役割も担っています。

当然、ワバチも増えすぎると人の迷惑になり駆除されます。

勝手なものですね、人って。

 

「 ミツバチが住めない環境は、人も住めない。」とよく言われます。

 

逆説的ですが、

 

「 オオスズメバチが住めない環境こそ、ヤバイ!!」

 

そう私は思うのです。

 

オオスズメバチがいるということは、

その生存を支える多くの昆虫がいることの証であり、

さらにその昆虫たちを生かす豊かな植生があるということです。

 

ワバチ愛好家にこそお願いしたい!!

ワバチ可愛さに、むやみにこのハチを殺すことの無いようお願い致します。

 

果たして、ワバチを救うことになるのですから。








《 関連リンク 》

 ● 偵察(オオスズメバチ襲撃①)

 ● 単独襲撃(オオスズメバチ襲撃②)

 ● 集団襲撃(オオスズメバチ襲撃③)

 ● 熱殺蜂球(オオスズメバチ襲撃④)

 ● 略奪(オオスズメバチ襲撃⑤)


 ● 救世主

 ● オオワバチ ・・・・ !?


 ● チンピラ

 ● ヒメちゃん












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ハチの惑星!?

地球上で最も繁栄している生物は、

 

「 昆虫 」

 

である。

 

意外に思われるかもしれませんが、

このことをご存知の方は意外に少ないようです。

 

 

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現在、地球上で発見されている動物の種類は 約100万種 もあると言われています。

そして、植物は 約30万種 です。

因みに、ウイルス、細菌、菌類までを含めた、地球上全ての生物は、

500万種 以上になると考えられているそうです。

 

ただ、発見されて命名されているのは、

1%にも満たないとも言われていて、実際には、2億種 を超えるかもしれない可能性があるそうです。 凄いですね・・・。


100万種の内訳ですが、

 

・鳥類  :9千種

・魚類  :2万3千種

・ほ乳類 :5千種

・両生類 :2千種

・は虫類 :5千種

 

以上、全て脊椎(せきつい)動物で、

これらを全部合わせると4万4000種になります。

この他にも、

 

・軟体動物 :11万種

・原生動物 :3万種

・腔腸動物 :1万種

・節足動物 :80万種(昆虫類)

 

昆虫類、ダントツ です!!

それ以外の全ての種類を足しても、全く歯が立ちません。

 

 


その中でもハチの仲間は、甲虫類と1、2を争う程の数ですから、

 

地球は、「 ハチの惑星!? 」 と言えるのかもしれませんね。

 


やっぱり、ワバチは エライ!?










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クコ

「 クコ 」

 

と聞いて 杏仁豆腐 だ~ !!

と最初にイメージするのは、私だけでしょうか?

 

そう、杏仁豆腐の上に乗っている、あの 赤い実 です。

 

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【 クコ 】:10~11月に、真っ赤な実がたくさん生ります。

 

クコの実は知っていても、その花を知らない人は意外に多いように思います。

実の色からは想像できない、紫色の可憐な花をたくさん咲かせるんです。

今、クコの花が盛りを迎えています。

 

この花、ワバチも訪花するんです。

 

koko

【 クコに訪花するワバチ 】:花蜜・花粉の両方を採取できる花です。

 

 

クコ花粉玉

 

 

 

花は、梅雨の時期から咲き始め、盛りは今頃ですが11月まで咲き続けます。

川沿いに多いようで、雑草のように生えていて、花も小さいので注意して見ないと、なかなか気付きません。

 

意外に思われるかもしれませんが、クコは「 ナス科 」の植物です。

ナス科は トマトナス といった蜜を出さない花が多いのですが、

この中にあって、クコの花は、花粉が採り易く、蜜も豊富なので、

ワバチは好んで訪花するんです。

 

中国では古く  三、四千年前からその葉、実、根皮は、薬用に利用されてきました。

日本では純度の高いものは難しいようですが、「 クコ蜜 」も薬用効果が高いとされています。(私は舐めたことがありませんが、どんな味がするんだろう・・・)

 

効能は沢山あって、

 

・強壮や視野の改善、顔肌の色つやの改善

・保肝、降血圧

・コレステロール値を下げる

・動脈硬化の予防

・降血糖免疫力の増加

・一定の抗癌効果

・慢性肝炎、中心性網脈絡膜炎、肺結核、糖尿病などの治療効果

 

などが知られています。凄い!!  万能薬ですね。

 

果実は生で食べられる他、ドライフルーツ(これが一般的ですね)として、

また、お酒に漬けてクコ酒にする他、クコ茶なんかもあるようです。

(→ 詳しくは こちら

 

薬膳としてお粥の具にもされるようですが、

調べてみると、クコの実を使った料理も色々あるようですね。

(→ 詳しくは こちら

 

 

こんな 膳効果満載 のクコの実も、ワバチ達の受粉のお陰で結実しているんです。

 

 

いい仕事してるな~ 、ワバチ!!










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おしりフリフリ ・・・・!?

夏から秋にかけて,

ワバチを襲いに、しつこくやってくるキイロスズメバチですが、

その様は、まるで チンピラ の如し です。


ワバチは、この敵がやってくると、

巣に近付かせないよう皆で一斉にお尻を振って牽制する、という防御策を講じています。

 

名付けて

 

お尻振り振り

 

専門用語では「振身行動」と呼ばれますが、

お尻を振って威嚇・牽制するその様は、まさに、これ以外に表現出来ません・・・。

 

【 ワバチの振身行動 】:敵を近付けさせまいと、皆でお尻フリフリします。

 

 

【 ワバチの振身行動 】:スロー動画です。


見ていると、チンピラは明らかにこのフリフリを嫌がっていて、

近付くことが出来ません。

見た目は滑稽ですが、ちゃんと効果があるんですね。

 

この振身行動、門番蜂 と呼ばれる、巣門を守る専門のハチたちによって行われるのですが、特定の誰かが指揮しているわけでもないのに、ちゃんと統制されていて、いつも不思議に思ってしまいます。


皆がバラバラ勝手に動くのではなく、タイミングや方向に規則性があり、

明らかに 集団として機能 しているんです。

 

「 皆で協力し合って威嚇・防御する 」

 

この性質は、ワバチに顕著にみられる特徴で、ヨウバチとは異なる部分なんです。

因みにヨウバチは、このような行動はとらず、単独で飛び掛かってゆきます。

 

この集団行動が取れる性質は、

最大の天敵、オオスズメバチに対しても発揮されるのですが、

このことについてはまた後日、書きたいと思っています。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

余談ですが・・・・・、

ハチについて、

 

毎年、秋口になると、スズメバチの刺傷ニュースを必ず耳にしますが、

その大半が、この キイロスズメバチ によるものです。

人にとっても、厄介者のようですね。

 

ただこれは、知らずに巣を刺激してしまう、人間側が悪いのであって文句は言えません。

実は生態を知らない、ということは、赤信号を知らない、ということと同義なんです。

どちらが悪いかは言うまでもありませんね。

 

刺された方には大変申し訳ないのですが、

人は常に他の生き物とも 共存 していることを肝に銘じ、

そのルールを知り、それらを守らなければいけない立場だと思うのです。

 

ハチのいそうな場所を知り、そんな場所では彼女らのルールを守って気を張っている。

これは当たり前のことなんです。

 

誤解を恐れず敢えて言うなら、ハチが怖いのは 巣にいる時 だけです。

巣にいる時でさえ、刺激を与えなければ大丈夫なんです。

 

無暗にハチを怖がるのは、無知であるが故。

一般にハチのイメージは、テレビなどで見る映像などによって刷り込まれたものです。

真実は、もっと穏やかな昆虫で、自分の家が襲われない限り、人など無視しています。

 

ハチは、その生態(ルール)を知れば、

どうすれば刺されないかが分かるので、特別怖くはありません。

私はワバチを通してこのことを教わりました。

(ルールについては、追々書いていこうと思っています。)

 

 

ハチは、そのルールを知って 正しく 怖がりましょう。

 

他の生き物の生態を知ることは、我が身を守ることにもつながるんですね。





《 関連リンク 》

 ● チンピラ

 ● ヒメちゃん

 ● 極道


 ● シマリング








関連記事

チンピラ

ワバチには、多くの敵がいますが、

夏から秋にかけて、そのチンピラはやってきます。

その名も、

 

キイロスズメバチ

 

巣の前にやって来ては、帰ってくるワバチを1匹ずつ捕まえていくんです。

そのしつこさと言ったら、まるで弱いものに絡む、

チンピラ のイメージそのものです。

 

image

【 キイロスズメバチ 】:働き蜂の体長は17~24mm

 

日本には8種類の大型スズメバチがいますが、

その中で、ワバチに悪さをするのは、

主に、この キイロスズメバチオオスズメバチ の2種類だけです。

(最近対馬に侵入してきた外来種、ツマアカスズメバチ もワバチを襲います)

 

ただこのチンピラ、

単独でやってくるので、そんなに怖い敵ではありません。

本当に怖いのは、オオスズメバチ だけだったりします。

 

【 キイロスズメバチの狩り 】:巣門前でホバリングして待ちます。

この動画の25秒過ぎ頃、ワバチの体当たりを受け、叩き落とされて逆に襲われそうになっています。

 

その手口は、

まず、巣門側に頭を向けてホバリングします。

それでは全く捕まえられないことに気付くと、今度は巣門を背にするようになるのです。

こうして、帰ってくるワバチを待ち受け、隙を見つけては捕まえます。

 

【 肉団子にする最中 】:頭部と腹部を切り離し、胸部の筋肉だけを団子にします。

 

捕まえた後は、すぐにその場を離れ、近くの樹の枝などに止まり、肉団子にして巣に持ち去ります。そしてまたやって来ては、これを繰り返すのです。

 

 

ただ、もちろんこんなチンピラにやられてばかりの、我らがワバチではありません。

ちゃんと、撃退策だって持っているんです。

 

次回は、この撃退法について書いてみたいと思います。





《 関連リンク 》

 ● おしりフリフリ ・・・・!?

 ● ヒメちゃん

 ● 極道










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ニホンミツバチに関する様々なことを、
気ままに思いつくまま書いてます。
可愛く癒されるワバチの魅力を、たくさん発見したいと思っています。

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