ワバチの巣(巣板)

ワバチの巣 は、両面に 六角形の巣房 を持つ、複数の巣板から出来ています。

 

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【 六角形の巣房 】:六角筒の巣房が、ビッシリと敷き詰められています。

 

 

でも、この六角形、何か意味があるのでしょうか?

 

自然界の中では、六角形が 最も力を分散 させ、バランスの良い形 と云われています。

実はこの六角形、自然界の様々なところで、見ることが出来るんです。

 

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【 自然界の六角形 】

   苔の葉細胞・亀の甲羅・台風の目・昆虫の複眼・雪の結晶・ツクシ

   土星の渦・玄武岩・藻の網状群体 など

 

何故、自然界に、こんなにも 六角形 が存在しているのかは、分かりませんが、

物理の法則上、最もバランスの良い形!? ということなのかもしれませんね。

何かもっと、深い意味 がありそうで、気になるところではあります。

 

ただ、ワバチにとっては、ハニカム構造 と呼ばれる、この 六角形 を使った巣板は、

非常に 理に適った形 であることは、間違いありません。

 

 

ワバチは、巣板を何に利用しているのでしょう?

 

・花蜜の加工場

・ハチミツの貯蔵庫

・花粉団子の貯蔵庫

・産卵室

・育児室

・自分たち(最大2万匹)の住居

 

などなど、たくさんの用途に、使用されています。

巣板は、ワバチの生活の 全てを担う場所 で、欠かすことの出来ない、

最も重要 なものなんです。

 

 

では、巣板作りに求められる条件とは、何なのでしょう?

 

1.少ない巣材(蜂ろう)で、作り上げなければならない。

    新しい住処に、移り住む場合は、

    何もない ゼロ の状況から、巣板を作り上げなければなりません。

    当然、巣材である 蜂ろう の原料となる、ハチミツ も貯蔵されていない状況です。

 

    各々が 蜜胃 に入れて運んできた、少量の ハチミツ だけが頼りとなります。

    ハチミツは、巣板作りだけでなく、採餌活動の 飛翔エネルギー としても不可欠です。

    つまり、当初、巣板作りに使える量は、さらに 限られる ということなんです。

 

    この限られた 少量のハチミツ で、巣板を作り上げなければなりません。

 

2.限りある閉鎖空間を、最大限に有効利用しなければならない。

    蜂数が多ければ多いほど、生存が有利 になるワバチにとっては、

    限られた空間 に、より 多くの巣房 を作る必要があります。

 

    多くの巣房に産卵できれば、働き蜂の 産出効率 が上がります。

    また、巣房がより多ければ、食料(特にハチミツ)の 貯蔵量 も増やせます。

 

3.多用途に耐え得る、強度を兼ね備えなければならない。

    全ての用途 を詰め込むと、巣板1枚でも、相当な重量数キロ)になります。

    多くのハチ、幼虫、花粉もさることながら、ハチミツの重さはかなりのもので、

    巣板自体の 軽量化 はもちろん、全ての荷重に耐え得る 強度 が、要求されます。

 

 

これら、すべての願い を叶えてしまったのが、

 

そう、実はこの 六角形 で作る、

 

 

ハニカム構造

 

 

だったんです。

 

いったい、ハニカム構造とは、何なのでしょう?

 

 

次回は、この ハニカム構造 について、見ていきたいと思います。





《 関連リンク 》

 ● ハニカム構造

 ● 六角形は うそ !?


 ● ワバチのおうち

 ● ハチロウ

 ● 蜜胃(ミツイ)!?







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み~つけた!!

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   美味しそう 。









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超 個 体 !?

ワバチの社会(コロニー)は、1匹の女王蜂と、

多くの働き蜂、(多い時で、約1割の雄蜂)によって成り立っています。

 

人は、多くの細胞37兆個)が様々に連携し、働くことで、生命を維持していますが、

ワバチも、多くの働き蜂2万匹)の連携働きにより、コロニーを維持しています。

まるで、

 

コロニー全体で、一つの生命体

 

のようにも見えますね。このような社会集団を、

 

 

「 超個体 」

 

 

と呼んでいたりします。

 

つまり、1個1個の細胞が、1匹1匹のハチ というわけです。

 

例えば、

人の体内には、細胞同士の情報の伝達物質として、ホルモン が知られています。

このホルモンに相当するのは、ワバチでは、フェロモン です。こちらを参照)

 

筋肉細胞 は、食べ物を手に取る、という意味では、採餌蜂 でしょうか。

 

脂肪細胞 は、エネルギーの貯蔵なので、貯蜜蜂 でしょう。

 

乳腺細胞 は、子供を育てるので、育児蜂 ですね。

 

免疫細胞 は、外敵から身を守るので、門番蜂 です。

 

なるほど、まさしく 超個体 ですね。

 

 

個々が、専門の仕事に特化 して働き、

かつ、連携する ことで、一つの 生命(コロニー)を維持している。

 

このやり方(システム)が、様々な淘汰を経て、今なお残っている ということは、

生命を維持するうえで、最も効率的なシステム ということなのでしょう。

 

 

 

ワバチコロニー

 

 

 

 

こう考えると、全てに高効率を実現する ワバチ社会 が、一生命体の細胞の如く、

コミュニケーション を取りながら、分業 を行うシステムを 採用 していることも、

うなずける気がするのは、私だけでしょうか?

 

やっぱり、ワバチの社会最強のシステム なんですね!!

 

さらに、ワバチ システム の凄い所は、

全員が、無私の心!? で働いているということです。

 

一部でも、自分勝手 に働き出せば、たちまちコロニーは機能しなくなるでしょう。

細胞が自分勝手に働き出せば、つまり、ガン細胞 ということです・・・・・。

 

このままでは 自滅 の道しかない。

分かっていても止められないのが、不完全な人の なのでしょうね。

 

 

人は、もっと、ワバチに学ぶべきです!!

 

 

ねっ、ワバチ先生!!





《 関連リンク 》

 ● ミツバチ 社会

 ● 貯蜜量 システム!?

 ● コミュニケーション


 ● ナサノフ腺!?







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着地成功!!

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   ガバッ・・・。










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コミュニケーション

社会性昆虫 と呼ばれる、ワバチの社会 は、多くのハチたちが、

 

シンプル に、目の前の情報に 反応

 

することで、成り立っています。

ただ、これを成り立たせるには、仲間同士の

 

情 報 伝 達 コミュニケーション

 

が不可欠なんです。

 

コミュニケーション には、5種類 の方法が知られています。

 

 

1.個 から 個触角使ったコミュニケーション

 

 

個-から-個

 

   

    採餌蜂が貯蜜蜂に、採ってきた花蜜を渡す際などには、

    触角 同士を合わせることで、その相手だけ に、意思を伝えています。

 

 

2.個 から 少数 振動を使ったコミュニケーション

 

 

個-から-小数

 

 

    餌場を仲間に伝える際には、ダンス を踊り、腹部を揺り動かしますが、

    これは主に 振動 を使って、小数の仲間 に、情報を伝えています。

 

 

3.個 から 個への連鎖接触を使ったコミュニケーション

 

 

個-から-個への連鎖

 

 

    外敵に対する防御策に、翅を震わせ威嚇音を発する シマリング がありますが、

    これは、接触 する隣りのハチの動きに、誘発されて行われる行動で、

    結果的に、多数の仲間 に、この行動が連鎖して伝わっていきます。

   (シマリングは、こちらを参照)

 

 

4.個 から 多数フェロモンや音を使ったコミュニケーション

 

 

個-から-多数

 

 

    巣の場所を仲間に伝える際には、集合フェロモン を出すことで、

    多くの仲間 に、情報を伝えています。

   (フェロモンは、こちらを参照)

 

    また、女王蜂は、羽化後に発する クィーンパイピング と呼ばれる鳴き声、

    つまり、音によって、自分の存在を、働き蜂にアピールしています。

 

 

 

5.多数間 での 同期体内時計を使ったコミュニケーション

 

 

多数間での同期

 

 

    1匹ずつを、勝手に行動をさせると、体内時計 の周期には、

    3時間程度 のバラ付きが生じてくるようです。

 

    これを、巣内に戻してやると、1つの時計が 双方向伝達、共有 され、

    全てのハチ の時計が 同期 するので、バラ付きを生じません。

    これも一つの、コミュニケーション です。

   (体内時計は、こちらを参照)

 

 

こうした多くの、コミュニケーション方法 を駆使することで、

ワバチたちは互いに連携し、状況に応じた 秩序 を生み出しているわけなんですね。

 

人に勝るとも劣らない、多彩な コミュニケーション手段を持っているなんて、

 

 

驚きです!!!

 

 

凄いぞ、ワバチ!!







(最終更新:2014.12.12)


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 ● ミツバチ 社会

 ● 貯蜜量 システム!?

 ● 超 個 体 !?


 ● シマリング

 ● ナサノフ腺!?

 ● サーカディアン・リズム !?







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貯蜜量 システム!?

ワバチにとって、ハチミツ は、

 

・活動の、エネルギー源(食料)

・育児などの、温度管理に必要な、熱エネルギー源(燃料)

・巣作りのための、蜂ろう(巣板)の原料

 

として、無くてはならないものです。

そして、常に必要な量 を、巣内に 貯蔵 していなければなりません。

 

だからこそ、いつも 採餌 に出かけますし、ハチミツ造りにも余念がないんです。

 

前回書いたように、ワバチの社会 は、

単に 働き蜂同士が、シンプル に、目の前の情報に反応 しているだけで、

リーダーが、指示命令 を行っているわけではありません。

 

つまり、巣板作りと同様、

巣内の貯蜜量を、全て把握しているハチもまた、存在していない ということなんです。

 

 

誰も把握せずに、どうして貯蜜量のコントロールが出来るのでしょう?

 

これもまた、「 シンプル 」がキーワードになります。

 

貯蜜量のコントロールは、

蜜を運んでくる、採餌蜂 と、貯蜜を担当する、貯蜜蜂 との、

絶妙の連携 によって行われているんです。

 

・良い花を見つけた採餌蜂は、巣に戻って「 ダンス 」を踊ります。

   ミツバチがダンスによって、餌場の場所を仲間に伝えるのは有名ですが、

       魅力的な花であればあるほど、採餌蜂は 興奮 し、長時間ダンス を踊ります。

       踊る時間が長ければ、それだけ 多くの仲間 に情報が伝わることにもなります。

 

・餌場情報を得た仲間のハチたちは、その花の場所へ向かいます。

   新たに着いたハチたちにとっても、その花が魅力的に感じれば、

       巣に戻って、それぞれが 長時間ダンス をすることになります。

 

・花の場所の情報が、巣内で雪だるま式に広まります。

   → 多くのハチがダンスを踊ることで、多くの仲間に伝わり、

       その花の場所に向かうハチも増えますから、効率良く、どんどん、

       花蜜が巣に 運び込まれる ことになるんです。

 

このようにして、良い花(餌場)の情報は、瞬く間に巣の仲間に伝わり、

多くの採餌蜂によって、花蜜が運び込まれ、貯蜜巣房も、どんどん満たされていきます。

 

・採餌蜂は、ダンスを踊る前に貯蜜蜂に花蜜を渡します。

   巣に戻った採餌蜂は、巣門付近で待機する、貯蜜蜂 を見つけ出し花蜜を渡します。

       花蜜を渡してからでないと、ダンスは 踊らない んです。

 

・貯蜜蜂は、花蜜を受け取り、貯蜜巣房へ入れていきます。

   → 花蜜を受け取った貯蜜蜂は、空き巣房を見つけて、とりあえずの 仮置き場 として、

       その中に花蜜を入れ、すぐまた採餌蜂の待つ、巣門付近へ戻ります。

       空き巣房が多いうちは、すぐに花蜜を入れて、戻れるのですが、

       花蜜が貯まってくると、空き巣房も少なくなり、長時間 探し回ることになります。

 

・採餌蜂は待たされることで、興奮が冷めていきます。

   採餌蜂は通常、1分以内 には貯蜜蜂を見つけ出し、花蜜を渡すことが出来ます。

       貯蜜が増え、貯蜜蜂の空き巣房を探し回る時間が長くなると、

       花蜜を渡せぬまま待たされることになり、徐々に興奮が冷めてきてしまうんです。

 

・興奮の覚めてきた採餌蜂は、ダンスの時間が短くなります。

   → 待たされる時間が、長ければ長いほど、興奮が冷め、ダンスの時間が短くなります。

       ダンスが短いと、その分、餌場情報を受け取るハチも、少なくなってきます。

 

このようにして、徐々にその場所へ行く、採餌蜂の数が 減っていく ことになるんです。

そして、長時間待たされ続けたハチたちは、終には、ダンスを 踊らなく なり、

自分だけで、餌場に戻って行くようになります。

 

つまり、新たにその花へ行く採餌蜂が、これ以上、増えなくなるということなんです。

最終的に、何度も待たされ続けた採餌蜂たちは、採餌活動自体を 止めて しまいます。

 

こうして、採餌活動は 徐々に、終わりを迎えていくことになるのですが、

結果的に貯蜜量は、満タン になっているというわけです。

 

空き巣房無し  ⇒  採蜜活動ストップ ⇒  貯蜜量満タン

 

ということなんですね。

 

 

貯蜜量コントロール

 

 

 

何と単純明快で、シンプル システム なんでしょう!!

 

 

特定のリーダが、巣内の貯蜜量を把握して、指示など出さなくとも、

一匹一匹が、目の前の作業を シンプル に、こなしているだけで、

結果的に(自動的に)、貯蜜量がコントロールされる。

 

 

完璧です!!

 

 

 

やっぱり、ワバチは 凄過ぎます!!





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 ● ミツバチ 社会

 ● コミュニケーション

 ● 超 個 体 !?







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ミツバチ 社会

ミツバチは、我々人類同様、

 

高度に組織化され、分業化された、社会

 

で生きている昆虫です。

 

ミツバチが、

今のような 社会体制 を確立させたのが、約500万年前 と言われています。

つまり、500万年 もの長きに渡り、同じ生き方 を貫き通しているわけです。

 

ちょっと、気の遠くなるような年月ですが、

これはつまり、生き方を変える必要がないくらい、完成されているということで、

 

「 変える要素が、どこにもない 」

 

と云う、ある意味、社会性生物として 理想形 の生き方でもあるんです。

人が考える以上に、その社会は高度で、環境適応力に、満ちているわけですね。

 

昆虫の 進化の頂点 には、ミツバチがいる、と言ってもよいのかもしれません。

哺乳動物の頂点である!? 人類も見習わなければなりませんね。

 

ミツバチ社会を、一言で表現するなら、

 

「 リーダーなき秩序社会 」

 

と云えます。

 

ミツバチを知らない方は、女王蜂が指導者と思われているかもしれませんが、

実は、指導者は存在せず、働き蜂間の 情報伝達 によって運営される社会なんです。

 

 

 

ミツバチ社会

 

 

 

 

人は「 リーダー在りの秩序社会 」ですが、ミツバチ社会は、

 

指導者もいないのに、どうやって社会が上手く回っていくんでしょう?

 

それは、「 シンプル 」がキーワードになります。

 

ミツバチ社会の基本は、

個々のハチが、それぞれ シンプルに情報に反応 している、という所にあります。

それでいて、結果的に 社会(コロニー)全体に、利益がもたらされるのです。

 

少し分かり難いですが、巣造りを、例に見てみます。

人は、家を建てる時、

 

・専門家が設計図を書きます。

・基礎、建築工事が行われます。

・電気、水道、ガス工事は、また別の専門家が行います。

 

このように、

様々な専門家が、図面に基づき、現場監督のもと分業して行われます。

人にとって、これが最も効率の良い方法です。

 

一方、ミツバチでは、

 

・設計図は、個々の DNA に既に書込まれています。

・施工も 全員 で行うことが出来ます。

 

つまり、特定の指導者や専門家など不要で、

いつでも、誰でも、途中からでも、作業に参加できるということなんです。

 

共通の設計図のもと、同じ作業を、誰もが 同じように行えるので、

指導者や専門家が必要ないんですね。

 

この内、 「 途中からでも 」というのが重要で、

作りかけの巣房を、別のハチが 引き継いで完成 させることも出来るんです。

 

実際に、巣作りを観察すると、

多くの働き蜂が、入れ替わり立ち代り、動き回っているうちに、

ほぼ完ぺきに、大きさの揃った巣房が、同時進行 で完成していくそうです。

 

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【 六角形の巣房 】:表裏両面とも、正確に六角形が並んでいます。

 

正確 な大きさの六角形の巣房を持つ、この巣板を、

同じ個体が、継続して作業することもなく、

多くのハチが途中で入れ替わっても、簡単に引き継いで 完成させてしまうんです。

 

そこに、その仕事があるからやっているだけで、

誰も、巣板の 全体像を把握していない にもかかわらず、

結果、巣板が完成されていくんです。

 

はっきりした リーダーもいない命令系統も存在しない

 

リーダー不在の秩序 とは、このようなことを云います。

 

単純ですが、何と 効率的 なやり方なんでしょう。

人と、どちらが、効率的なんでしょうか???

 

ミツバチが、このような生き方を選択できるのは、

働き蜂全員が、

 

ジェネラリスト何でも屋)であり、スペシャリスト (専門家)

 

でもあるからなのでしょう。

ミツバチの世界は、知れば知るほど、その凄さに、圧倒させられてしまいます。

 

 

 

余談ですが、

人のように、ころころ変わる社会体制が、如何に脆弱なものかは周知の通りです。

某国の体制もまた、2年で揺らごうとしていますね・・・・。

 

人は恐らく、脳の突然変異 によって生じた生物だと思うのですが、

生き方を確立できないということは、脆弱な欠陥生物 ということで、

早晩、淘汰される運命にあるのでしょう。

 

ミツバチは、そんなことにはお構いなく、生き続けていく生物になるだろうと、

個人的には感じています。

 

日本の未来は、ワバチに託した 方が良いのかもしれませんね。

 

 

任せたぞ、ワバチ!!!





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 ● 貯蜜量 システム!?

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サーカディアン・リズム !?

目覚まし時計もないのに、毎日 決まった時間 に目が覚める。

 

こういった 経験 をしたことはないでしょうか。

 

これ、「 体内時計 」の仕業なんです。

 

動物、植物、菌類、藻類など、ほとんどの生物は、体の中に 時計 を持っていて、

これが、時間を測定 し、一日の体の 生理的な働き を、変化させているようなんです。

 

この時計、ほぼ、一日周期で動いているので、概ね一日(サーカディアン)という意味で、

 

「 サーカディアン・リズム 」 (概日リズム)

 

と呼ばれています。

 

もちろん、ワバチの体の中にも、この時計はあって、

 

一日の中で、決まった時間帯に、その行動をとる。

 

といった、一日のリズム が存在しているんです。

 


例えば、定位飛行時騒ぎ)が、最も分かりやすい例かと思います。

 

採餌に出る前の若いハチたちは、

決まってお昼過ぎくらいに、巣の場所の記憶飛行を行います。

 

このような、決まった時間帯に行われる行動 は、

体内時計の働きにより、リズムが刻まれている ことの なんです。

 

また、学習能力 にも、リズムがあることが分かっています。

 

ワバチは、

実は、午後よりも、午前中の方が 学習能力が高い そうなんです。

 

 

午前中

 

 

実は、これ、非常に理に適っていて、

この時間帯に、頭脳明晰であることは、採餌活動を効率化 させることに貢献するんです。

 

というのは、

ワバチがよく行く花は、午前中に花蜜を分泌 するものが、多いんです。

 

さらに、

 

・午後から夜の前半にかけては、学習能力が 低下 し、

・夜明け前から午前中に、再び 高く なる。

 

というリズムを刻んでいるようなんです。

 

つまり、花の開花に 合わせて、脳を活性化させているということなんですね。

 

当たり前といえば、当たり前なのかもしれませんが、

体の生理的リズムが、花の開花リズムに 同調 しているなんて、

やはり、驚異の適応 としか思えません。

 

きっと夜は、脳を休ませていて、英気を養っているんでしょうね。


給餌などは、もしかしたら、

あまり頭を使わない、夜間 に行う方が、ワバチにとっては良いのかもしれませんね!?









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ワバチ 蜂蜜

ワバチのハチミツ は、ヨウバチ のそれに比べて、

 

「 非常に高額、希少、そして美味しい。」

 

と言われています。

 

 

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でもこれって、本当なんでしょうか?

 

ワバチ蜜を食べたことが無い方にとっては、とても気になるところだと思います。

ワバチの養蜂で有名な、某養蜂場の商品を見比べてみました。

 

・ワバチ蜜は、   グラム 約円。

・ヨウバチ蜜は、グラム 約円。

 

となっています。約3倍 です!!


本当に 高額 なんですね。

 


でもなぜ、こんなに高額なんでしょう?

 

実は、一般に市販されているハチミツの、

ほぼ 100% が、家畜の ヨウバチ によって生産された蜜で、

 

ワバチ蜜は、市場に 0.1% しか存在していないようなんです・・・・。

ワバチ蜜が高額なのは、絶対量が少なく、希少 だからなんですね。

 


では、ワバチ蜜を手に入れるには、どうしたらよいのでしょう?

 

ワバチ蜜は、観光地の売店 であったり、ワバチを飼育している 養蜂場 であったり、

販売所が限られていて、日常的に気軽に買うことはちょっと難しいんです。

 

ただ、最近はネットで何でも買える時代になりました。

例に漏れず、ワバチ蜜も、ネット で探せば購入できてしまいます。

どうしても、すぐ食べてみたいという方は、利用なさってみては如何でしょうか。

 

ただ、気になるのは、 美味しさ です。

 

 

本当にワバチ蜜って、美味しいのでしょうか?

 

美味しさというのは、個人差があるので、これは何とも 難しい 所です。

ただ、味わいは、違うと感じます。ワバチ蜜は、

 

「 清々しい酸味があり、味わい深く、コクがある。」

「 そして美味しい。 」

 

と一般に表現されますが、私も同感です。

個人的には、強く

 

美味しいですよ。

 

と言いたいところです。

 

でも、実は、ワバチ蜜 も ヨウバチ蜜 も、

含まれる 主要成分 に、大きな違いは無い んです。

 

え!!

 

実は、両種を同じ場所、同じ期間飼育して、採取した蜜で比べると、

味の違いが 分からない そうなんです。

 

つまり、同一条件下 で採蜜したハチミツは、

両種とも、その味わいに、変わりが無い ということのようなんです。

 

え!?

 

ちょっと残念に思うのは、私だけでしょうか・・・・。

 

 

 

ワバチ・ヨウバチ蜜

 

 

ではなぜ、味わいに違いがあると言われているのでしょう?

 

それは、採蜜までの、巣房内での 貯蔵期間 が、関係しているようです。

 

普通、ヨウバチ では、盛花の時期は、5日置き位に採蜜が出来るようです。

つまり、ハチミツが 出来たらすぐに採蜜 しているということなんです。

商売でやっていますので、採れる時にたくさん採るというのは、当然ですよね。

 

一方、ワバチは、商用として飼われる場合は少なく、

単枠式巣箱以外の飼育では、採蜜は、年1回 行われるのが普通です。

つまり、巣房内で 長期間貯蔵 されている、ということなんです。

 

・ヨウバチ蜜は、出来たて蜜。

・ワバチ蜜は、長期貯蔵蜜。

 

ワバチ蜜の、ほど良い酸味味わい深さコク は、

全て!?  巣内での長期貯蔵 によって、出来上がっていると考えられるんです。

 

ワインに例えると分かりやすいのですが、

ヨウバチ蜜は、フレッシュ出来立ての新種、ヌーヴォー

ワバチ蜜は、何年も樽で熟成された、長期熟成ワイン

 

どちらも美味しく魅力的ですが、ヌーヴォーの単調な味わいよりも、

複雑で味わい深い熟成ワインが を行くのは至極当然といったところなのでしょう。

 

ワバチ蜜の魅力は、長期貯蔵で、その 本領 を発揮します。

短期サイクルで採蜜すれば、ヨウバチ蜜と変わらない、味わいになるようなので、

購入される場合は、採蜜まで 何年飼育されたか、確認されることをお勧め致します。

 

 

でも、何故、巣内で長期貯蔵されると、味わいが変わってくるのでしょうか?

このことについては、また別の機会に書きたいと思います。

 

 

 

余談ですが、

ハチミツは、花の種類や、採れた土地、さらには採れた年、時期などによって、

が変わってきます。花は 生き物 なので、当然のことですね。

 

ヨウバチの場合は、単花蜜 と言って、

一つの種類の花から、ハチミツを採取したりしています。

 

これは、同じ花が同一場所に大量に咲いていて、初めて実現できるのですが、

実は、これには、少し 無理 があるんです。

 

そもそも、同種の花だけが、同一場所に多量に咲く、ということは、

自然界ではまず あり得ません

 

そこには、人の 管理 が加わっているということで、不自然 極まりない状態なんです。

さらに、開花時期だけ、ハチを 移動 させて、巣箱を持ってくる必要もあります。

これは、一つの場所に住み続けるという、ミツバチの 本性 とは、かけ離れています。

 

単花蜜 というのは、このように、

無理(不自然)に、無理(不自然)を重ねて、実現されているハチミツなんです。

実は、ハチにも、自然にも、優しくないというのが、今の商業養蜂の実態です。

 

一方、ワバチは昔ながらの、旧式養蜂 が主流です。

採蜜も年一回位で、巣の周辺に咲く様々な花の蜜から、ハチミツが造られています。

 

百花蜜 と呼ばれますが、このハチミツこそ、自然 そのものではないでしょうか。

 

ただ、

ヨウバチのお陰で、我々はハチミツを、気軽に食べることが出来ているのは事実です。

ヨウバチには、感謝ですね!!

 

 

 

ヨウバチ

 

 

 

更に余談ですが・・・、

 

最近、ボジョレ・ヌーヴォー が、解禁されました。

今年採れたブドウで造った 新酒 なので、ジュース感覚で飲めるのはよいのですが、

個人的には味わいが単調で、美味しいとは感じません・・・。

 

本来ワインは、料理と合わせて飲むことで、その美味しさが 倍増 するのですが、

ヌーヴォーは、そのまま飲んだ方がむしろ、飲めるんです。

 

こんなボジョレ・ヌーヴォー、試しに、ワバチ蜜 を魚に、飲んでみたところ、

 

何と、意外に、イケました。

 

よかったら、試してみて下さい。









(最終更新日:2014.12.05)




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蜂パン

ワバチの主食は、ハチミツ花粉 です。

 

花蜜 は、ハチミツに加工することで、エネルギー効率 の良い燃料になるだけでなく、

防腐効果 をもたらし、長期の保存も可能にしています。

 

では、花粉の方は、加工していないのでしょうか?

 

花粉 は、ハチミツのような、積極的 加工は行っていないようです。

それは、花粉はあまり 貯蔵する必要がない ことと、関係がありそうです。

 

 

ここで、花粉団子が巣房に貯蔵されるまでを、見ていきたいと思います。

 

・花粉を採取する採餌蜂は、花粉団子を作り、巣へと持ち帰ります。

   採取蜂は、ハチミツを加えた 花粉団子 という形で、花粉を巣に持ち帰ります。

       花粉団子は、両足で計 30㎎ 位にもなるようですね。凄い!!

      (花粉団子は、こちらを参照)

 

・花粉団子は、採取した採餌蜂自らが、貯蔵巣房まで運びます。

   花蜜の場合は、巣門付近で 貯蜜蜂 に口移しで渡しますが、

       花粉の場合は、持ち帰った採餌蜂 自身 で、花粉の貯蔵巣房まで持って行きます。

 

・貯蔵巣房まで運ぶと、中肢の剛毛を使って、巣房内に花粉団子を落とし入れます。

   花粉貯蔵用の巣房へ行くと、団子の付いている、後肢 を巣房内に入れます。

       そして、中肢にある専用の 剛毛 を使い、花粉団子を巣房内に落とし入れるんです。

 

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       【 中肢の剛毛 】:花粉団子を外すために使う、専用の毛です。

        蜜と花粉を集める蜂より)

 

 

・巣房に落とされた花粉団子は、貯蔵係の貯蔵蜂によって、押し込められます。

   待機していた花粉貯蔵蜂によって、花粉団子はある程度噛み砕かれます。

       この際に、少量の ハチミツ も加えられているようです。

       そして、頭を使って巣房内に、ギュギュッ と押し込んでいくんです。

 

 

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・押し込められた花粉は、地層のように何層にも積み重なります。

   様々な色の花粉団子が、何個も積み重なるので、その断面は、

       まるで、地層 のように見えるんです。

 

        image

       【 何層にも積み重ねられた花粉団子 】:この状態を 蜂パン と呼んでいます。

 

 

このようにして、花粉団子は巣房に貯蔵されていきますが、

この何層にも積み重ねられた状態の、貯蔵花粉のことを、 

 

 

「 蜂パン 」 Bee bread

 

 

と呼んでいます。

 

ワバチは、実際には、この 蜂パン を食べているということなんですね。

 

この蜂パンは、集める先から使われていきます。

基本的に花粉は、必要な時(特に育児期)に必要なだけ集められるので、

貯蔵期間は短く、長期に貯蔵 されることは 少ない んです。

せいぜい数週間、長くて1~2ヶ月といったところでしょうか。

 

ただ、長く巣房内に貯蔵される場合もあるので、ワバチは 一工夫!? をしています。

それは、

 

・蓋をすることでの防腐効果。

   長期貯蔵になる場合は、最後の花粉団子に多量のハチミツを加えて粘性を高め、

        念入りに押し付けて、としているんです。

        この蓋により酸素が入らず、酸素を好む 腐敗菌の活動を阻止 します。

 

・花粉に付く乳酸菌が作る、乳酸による防腐効果。

   → 花粉に付着している天然の植物性乳酸菌が、ハチミツ中の糖分を使って、

        乳酸発酵を行い、乳酸を作り出します。

        この乳酸は、pH(ペーハー)を下げ、蜂パンを酸性にする働きがあるんです。

        酸性下では、腐敗菌は活動できなくなります。

        因みにこの乳酸菌、味噌、醤油、漬物などにも含まれます。

 

・ワバチの体表にある、脂肪酸の混入による防腐効果。

   → ワバチの体表には脂肪酸が付いていて、接触によって蜂パンにも混入しています。

        この脂肪酸は、乳酸同様、酸なので、防腐効果があるようです。

 

貯蔵花粉内 では、このようなことが起こっているのですが、

これは、ワバチが積極的に講じている工夫とうよりも、結果そうなっている

と言った方がよいのかもしれません。

 

というのは、

ワバチにとって、花粉の長期保存は、特に メリットがない と思われるからです。

ある程度長期に貯蔵される蜂パンは、一部、発酵(半発酵!?)していますが、

 

これによって、花粉の栄養成分が変わることはありませんし、

幼虫の花粉消化を、助けているわけでもありません

 

つまり、熟成的な長期保存は、必ずしも必要としないようなのです。

確かに、熟成が必須なら、もっともっと花粉を集めているはずですよね。

 

さて、

花粉は、植物の 雄性の生殖細胞 です。人で云えば、精子に当たるものですね。

植物細胞には 細胞壁 があるのが特徴ですが、

 

この細胞壁、花粉 にもあるんです。

 

花粉の外殻に当たる、細胞壁は、花粉壁 と呼ばれていて、

非常に硬い スポロポレニン という物質が含まれています。

 

Beepollen

【 様々な花粉粒 】:植物により形は異なりますが、固い殻で覆われています。

 

実は、この固い物質、ワバチには(人にも)消化できない んです。

実際、ワバチの糞を調べると、花粉の殻が消化されずに残っています。

 

ここで、一つ疑問が湧きます。

 

殻を消化できないのに、どうやって栄養素を吸収しているの?

 

それは、浸透圧 を利用しているんです。(余談を参照)

 

実は、花粉には、花粉孔 と呼ばれる小さな穴がたくさん開いていて、

この穴から、浸透圧によって栄養素が 花粉の外 に染み出てくるんです。

 

花粉壁)は消化できなくても、栄養素を取り出すことは出来るんですね。

ちなみに、これは人でも同じなんです。

 

 

蜂パン(花粉)は、ワバチにとっては、体を作るために必要な、

 

唯一の タンパク源

 

ですが、これが無くなると、

ローヤルゼリーが造り出せないため、女王蜂の産卵が止まり、

幼虫の餌も途絶えるので、新たに働き蜂が生まれてこなくなります。

 

つまり、ワバチにとって 花粉不足死活問題 なんです。



『  蜂パン は、ハチミツ よりも 重要!? 



な食糧、と言えるかもしれませんね。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

余談ですが・・・・・、

 

浸透圧について

浸透圧 という言葉は、良く聞くと思います。

 

これは、濃度の異なる、2つの溶液があった場合、

濃度の低い溶液(低張液)は、高い溶液(高張液)に移動しようとする性質のことで、

浸透圧というのは、この移動時に掛かる 圧力 のことなんです。

 

花粉の栄養素は、腸内 で吸収されます。

花粉内の栄養素(栄養液)は、浸透圧によって に出てきますが、

 

 

花粉浸透圧

 

 

 

これは、栄養液よりも、腸内の濃度の方が 高い濃い)ということで、

 

栄養液低張液が、浸透圧により、

腸   内高張液へ吸い出される形になるわけです。

 

 

花粉の吸収過程0

 

 

つまり、花粉内 から 花粉外 へ圧力(浸透圧)が掛かるために、

中の栄養素が、外に出てくるということなんです。





《 関連リンク 》

 ● 花 粉

 ● 花粉団子







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気ままに思いつくまま書いてます。
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