ローズマリー

言わずと知れた、代表的な、

 

ハーブ  &  スパイス

 

の1種として、とても有名ですね。

 

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[ ローズマリー ]:常緑で、葉は乾燥させても利用できます。

 

様々な品種があり、花の色も 水色~青、ピンク、白 などいろいろあります。

元々、地中海沿岸 に、自生分布していたようですが、丈夫で、手軽に育てられるので、

ガーデニング 用としても、一般家庭で広く植栽されていたりします。

 

少し独特の 強い香り がしますが、頭をクリアにして、記憶力や集中力を高める効果

があるので、ハーブティー、アロマオイル などとしてよく使われます。

(イライラした時などに、この葉をむしって香りを嗅ぐと、落ち着きますよ)

 

また、香辛料としても利用されていて、消臭効果 があるので、

臭みの強い ラム 、鶏などの 肉料理魚料理 での、臭い消しにも良く使われます。

野菜では、じゃがいもやカブ、カリフラワーが特に相性が良いようですね。

 

その他にも、薬効や防腐効果があるようで、様々に利用されています。

一年中、葉が茂っていて、何時でも使えるのと、乾燥させても利用できるので、

重宝するハーブだったりします。 (参照サイトは こちら

 

実はこの花、ワバチもよく 訪花 するんです。

 

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[ ローズマリーの訪花するワバチ ]:背中に花粉が付いています。

 

 

 

花粉玉

 

 

 

花は 1月中頃 から咲き始めて、盛りは 4月 ですが、11月 位まで咲き続けます。

主に 花蜜 を集めますが、たまに 花粉 も採集していますね。

 

他にもっと魅力的な花がある時期は、あまり見られませんが、今からの時期、

冬の間から、春先には、貴重な 蜜・花粉源 となるので、よく訪花する姿を見かけます。

機会がありましたら、今度よく観察してみて下さい。

 

実は、ローズマリーは、受粉 の為に、面白い戦術 を使っています。

吸蜜すると、ちょうど、花粉のある 雄しべ が、ワバチの背中 に付くようになっていて、

上の写真のように、背中に花粉がくっ付いてしまうんです。

 

雌しべ は、雄しべのすぐ隣にあって、ハチが、他の花へ吸蜜しに行くと、

今度は背中の花粉が、この雌しべにくっ付くという仕掛けです。

 

花の 構造 をこのように進化させてきたわけですが、なんとも、賢い花ですね。

ちなみに、ランの仲間もこのようなやり方をしていたりします。









関連記事

越 冬(その6)

コロニー)の全員が、起きたまま、越冬を行うワバチですが、

長い冬に耐えられず、残念ながら 全滅 してしまう群も、少なからず存在します。

 

巣の中を 確認 してみると、貯蜜はまだ、たっぷり 残っている・・・・。

 

こんなことが起こる場合があるんです。

 

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[ 越冬失敗 ]:貯蜜をたっぷりと残したまま、死亡しています・・・。

 

 

貯蜜は充分にあったのに、何故、冬を越せなかったのでしょう?

 

いくつか 原因が考えられます。

そもそも、越冬中に死んでしまうのは、餓死するか凍死するか

主に、この 2つ しかありません。

 

飢えて、動けなくなる ことで、発熱できなくなり、凍死 する。

実際には、主に、このような パターン で 死に至りますので、

 

餓死 凍死 と云えるのかもしれませんね。

 

越冬中の、餓死や凍死の 原因 としては、

 

・貯蜜量不足

   → 越冬前に、充分な貯蜜の確保が 出来なかった ため、

       食料や暖房の燃料源である、貯蜜が切れ てしまった。

 

 

・蜂数不足

   → 蜂数が 少ない ため、貯蜜消費量が 多く なり、貯蜜切れ を招いてしまった。

       また、充分な発熱 ができず、温度を 保ち 続けられなくなることで、

       低温状態 を招き、同時に、固くなったハチミツを 溶かせなく なった。

 

       一見、蜂数が少なければ、それだけ消費する貯蜜も 少なくて済む ぞ!!

       少ない貯蜜 でも、やっていけるぞ!!  こう思うかもしれません。

 

       が、さにあらず、実は、蜂数が少ないと、蜂球の 保温効率悪く なって、

       すぐに 冷えて しまい、発熱回数を増やす 必要に迫られることになります。

       同時に 発熱源が少ない ため、生存のための 温度維持  難しく なるんです。

 

        「 蜂数の少ない群 (弱小群)は、冬を越すことが 困難 だ。」

 

       こう言われるのは、このような理由からなんですね。

       全てに於いて、蜂数が多い群の方が 絶対的に生存に有利、と言われますが、

       越冬のことを考えれば、これは 明らか だということが分かります。

 

 

・病気(発病)

   → ウィルスダニ などが原因で病気に掛かり、急激に蜂数が 減って しまった。

       病を抱えたまま、越冬に入った場合、途中で死ぬ ハチが多く出ます。

       つまり、蜂数が減ることで、危険な状況 になるわけです。

 

 

・天候不順

   → 急激な 気温の変化(寒暖差)により、貯蜜を 大量に消費 し、貯蜜切れとなった。

       貯蜜を最も多く消費するのは、発熱行動、そして 活発な育児 ですが、実は、

       気温が 急に下がると、発熱が活発になり、大量に貯蜜を消費してしまうんです。

 

       また、活発な発熱 で発生した 水蒸気 によって、巣内が 高湿度 になり、

       体に 付着 した 水分 凍る ことで 凍死 してしまうことも ヨウバチ の知見では

       あるようです。

       (通気性の悪い巣箱などでは、高湿度になり、同様の事故が起こったりします。)

 

       逆に、急に高温 になれば、育児活動が 活発化 して、大量貯蜜消費 を招きます。

       どちらにしても、この

 

       「 急激な気温の変化 」

 

       というのが、最大のネック になるんです。

 

 

以上のようなことが、越冬中の 死因 として考えられますが、

特に、最後の 天候不順 だけは、人の力では、どうすることも出来ません。

 

実は、気温が、緩やかに 上がったり下がったり してくれれば、

活発な産卵・育児 発熱量の増加 がないため、問題は 起こらない んです。

(巣箱を開けたりする、内検などによっても、急激は温度変化が生じます。)

 

寒いなら、寒いまま。

暖かいなら、暖かいまま。

 

というのが、ワバチにとっては、最も ありがたい わけです。

(加温ではなく、保温、このことは、飼育するうえでも、大きなヒントになりますね。)

 

特に 危険な時期 は、晩冬春先 です。(関東は2月後半、今頃の時期から

急に 暖かい 日が来たと思ったら、寒の戻り によって、寒く なる。

冬の平均気温が 高く、こんなパターンが 顕著 な年は、最も危ないんです。

 

この時期は、梅など、既に 蜜・花粉源花 となる花も 増え始め ていて、

急に暖かくなることで、スイッチ が入り、産卵・育児が急激に 活発化 します。

これにより、大量の貯蜜が消費 されることになるんです。

 

ここで、再び寒の戻りや、天候不順 で、一気に気温が下がったりすると、

採餌に出られず、花蜜が供給されないまま、貯蜜だけが 大量に 無くなっていく、

という 危険な事態 に陥ってしまうんです。

 

果たして、貯蜜切れによる、餓死全滅、という 最悪の事態 を迎えます・・・。

 

実は、このパターンで全滅するコロニーが、少なからず 存在するんです。

ワバチにとって、この春先は、最大の鬼門 だったんですね。

 

まだ 私が、ワバチの生態をよく知らなかった、観察初期の頃、

春先の、野生の自然巣 で、こんなことがありました。

営巣している 白樫の樹 から出る 樹液 に、ハチが集まって、吸液 していたんです。

 

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[ 樹液を吸うワバチ ]:シラカシの樹の樹液を吸っています。

 

ワバチって、樹液も吸うんだ!!

 

初めての発見に、ただただ、無邪気に驚いていたのを、今でも覚えていますが、

実はこの後、この自然群は、餓死により消滅 してしまったんです。

 

この年は、冬の平均気温が 5℃ を超えるような 暖かな冬 で、

特に春先の 天候不順 による 寒暖の差が激しく、このため、急激な貯蜜消費 が起こり、

供給が追い付かず、底をついてしまったんですね。

 

巣の樹から出る 樹液 へ集まっていたのは、藁をも掴む行動 だったのだと、

後になって気付いた次第です。もしもこの時、この行動の意味が分かっていたなら、

給餌してやることで、救ってやることも出来たかも知れない・・・・。

 

こう思うと、無知とは罪悪 なんだ、と思わずにはいられませんでした。

中途半端に寒く、そして 春先の天候不順 は、本当に 危険 なんだ、

ということを、教えてくれた、貴重な体験となりました。

 

私の住む地域では、今年もこの時のように、冬の平均気温が高いので、

少し心配しています・・・。

 

こうして見ていくと、

越冬を成功させることは、本当に 大変 なことなんだ、ということが分かります。

いくら、健康で貯蜜や蜂数が充分 でも、最後は、天運 だったりするわけです。

 

このように、何が起こるか分からない 越冬中 ですが、やはり、

最後に 頼みになるのは、貯蜜 なんです。


ここで、1つ 疑問 が生じます。

 

いったい、越冬前には、どれくらいの貯蜜が必要なのでしょう?

 

越冬中、一日当たり貯蜜消費量 は、

ヨウバチ の場合、もちろんコロニーの 規模 によっても変わってきますが、

80g ずつ消費すると言われています。

 

ワバチはもうすこし 少ない としても、越冬期間を仮に 100日間 とすれば、

おおよそ、8kg 弱 の貯蜜を消費する計算です。

 

かなりの量と云えますね。

 

もちろん、寒さが厳しく、越冬期間の 長くなる地域 では、この量よりも、多く なり、

逆に、比較的 温かな地域 では、少なく なることは、容易に想像できます。

 

越冬明けの には、ワバチにとっての 一大イベント である、分蜂ぶんぽう

という、巣別れ繁殖行動)の儀式が待っています。

 

分蜂というのは、数匹の女王蜂を新たに産み育て、その 新女王蜂 が羽化すると、

一部の仲間達と共に、新しい住処に移り住む 行動です。

 

このようにして、ワバチは、繁殖 していくわけですが、分蜂のためには、

蜂数を 増やす 必要があり、真冬のうちから、産卵・育児を 再開 させるのも、

これが 目的 だと思われます。

 

残りの貯蜜 が多いほど、切れ間なく、蜂数を増やし続ける可能性が 高く なるわけで、

越冬前には、冬を乗り切れる ギリギリの量 だけでなく、春の分蜂のことも考えれば、

最低でも、10~15kg位貯蜜 が必要ということになるでしょうか。

 

つまり、貯蜜は多いに越したことはない、ということなんです。

 

晩秋の採蜜 はワバチのことを思うなら、やるべきではないのでしょうね。

 

 

越冬を 成功 させるためには、

 

・充分な貯蜜があること。

・ハチが健康な状態であること。

・充分な数のハチが存在していること。

・急激な気温の変動がないこと。

 

これらの 条件が揃う ことが、必要だったんですね。


起きたまま、越冬してしまう。


という昆虫界でも 異例 の存在とも云える、ワバチですが、

やはり、それは簡単なことではなく、


必死に、生き抜いている。


ということを 痛感 します。

 

一匹では成せず、皆の協力 があって、初めて成せる業でもあるのですが、

自然に逆らって も、生き抜こうとするこの姿、貪欲さ は、

我が身、人類と照らし合わせ、この先、どんな 進化 を遂げていくのだろう?

 

こう想わずにはいられません。

 

こんな風に考えるのは、私だけでしょうか・・・。





《 関連リンク 》

 ● 越 冬(その1)

 ● 越 冬(その2)

 ● 越 冬(その3)

 ● 越 冬(その4)

 ● 越 冬(その5)







関連記事

越 冬(その5)

日本列島は、南北 に長く、地域によって、気候が 違い ます。

北海道は冷帯、本州・四国・九州は温帯、沖縄は亜熱帯

 

ワバチの 自然分布 は、北は 青森 から、南は 鹿児島 までと云われていて、

この地域は、全て、温帯温暖湿潤気候)に属しています。

 

同じ 温帯 とは云っても、


太平洋側気候日本海側気候瀬戸内海式気候中央高地式気候 


など多様で、ワバチたちは、それぞれの環境に 適応 して、生活しています。


 

Japan_climate_classification_1

【 日本の気候区分 】:地形や季節風の影響で多様です。(Wikipediaより)

 

 

では、このように、多様な環境下 においても、

 

越冬方法は 一様で、違いはないのでしょうか?

 

実際に、詳細な比較実験の結果がある訳ではないので、断定は出来ませんが、

当然、違いはある と考えられます。

 

このことを考える上で、他種の トウヨウミツバチこちら)が ヒント になります。

ワバチは、トウヨウミツバチの 一亜種 ですが、

その祖先は、熱帯のアジア で誕生したと言われています。

 

現在、熱帯地域 に生息する、トウヨウミツバチは、冬が無い ので、

当然、越冬などしていません。さらに、一年中 外で活動できるので、繁殖行動である、

分蜂巣別れ)も、日本のようにに限られておらず、年中 行われているようですね。

 

つまり、同じトウヨウミツバチである、ワバチ も、

寒くならなければ、越冬態勢をとらない と考えられるんです。

 

ここまで、ワバチの越冬 について、色々と書いてきましたが、

これは、あくまで冬の 平均気温 が、氷点下 前後まで 下がる ような地域での話で、

5℃以上 になるような地域では、はっきりした形では 見られない 可能性があります。

(お住まいの地域は、気象庁のサイト で確認出来ます)

 

つまり、地域によっては、完全な越冬状態にならない 場合もあるということで、

寒さの程度 によって、その 行動に違い が生じている、と考えるのが妥当でしょう。

 

・産卵、育児を完全停止する。

・外勤活動を完全停止する。

・脱糞以外、巣外には出ず、巣ごもりする。

 

といった一連の行動は、全く行われない 地域もあるでしょうし、

ごく短期間 しか行われない、といった地域もあるでしょう。

 

ただ、一つ言えることは、やはり、

 

「 越冬前には、なるべく多くの貯蜜を持たなければならない 」

 

ということでしょう。

 

あまり寒くならない地域だから、ここのハチは、大丈夫だ!!

 

などと考えるのは、早計 です。

 

中途半端 に寒い地域では、ただでさえ、花の 少ない 冬の時期です。

活発な活動育児)は、貯蜜や花粉切れのリスクを、高める ことになります。

特に、周囲に蜜・花粉源花 少ない 場所では、非常に危険 な状態と言えますね。

 

冬の育児は、常に 温度を上げ続けなければならないので、

実は、普段よりも 多くの貯蜜 を、消費しなければならないんです。

越冬前の貯蜜の確保が、如何に大切か、お分かり頂けるでしょうか。

 

このように、越冬を成功させる上で、貯蜜の確保は 不可欠 なんですが、

実は、これだけでは 駄目 で、いくつかの 条件 が揃う必要があるんです。

 

では、越冬成功に必要な条件とは、いったい何なのでしょう?

 

このことについては、次回 書いてみたいと思います。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

余談ですが・・・・・

越冬中の吸水行動について、

 

私の主な 観察フィールド は、千葉県北西部 なんですが、この地域では、

規模は小さくても、常に 育児は行われ続けていて、産卵停止は 無い のではないか?

と感じています。

 

また、今年は特に、例年よりも 平均気温が 高く

1月で 5℃前後 だったことも 関係しているのかもしれませんが、

真冬この時期でも、既に、活発な育児 が行われている、

ということも 新たに 分かりました。

 

これは、このブログにコメント頂いた、同じ地域に住む Haraさん より、

 

「この時期、条件の良い日には、活発に吸水行動を繰り返している 」

 

という 情報 を頂いたことで、新たに 判明 したことです。ありがとうございました

(あまり活発過ぎるのも、心配だったりするのですが・・・)

 

 

当初、何故この時期に吸水 ???

 

不思議 だったのですが、これは、

幼虫に食料として与える ワーカーゼリーローヤルゼリーより栄養価の低いミルク

生成に、花粉だけでなく、大量の も必要だったからのようです。

 

ワーカーゼリーミルク)、実は、その 60%水分 なんです。

 

この ミルク は、若い働き蜂が、花粉と水 を食べて、体内で生成 しているのですが、

通常は、これを、孵化後の幼虫に、3日間 だけ与え、その後は、花粉とハチミツ

変えていくんです。

 

ただ、巣内の 蜂パンこちらを参照)の量も 限られ、花粉源花も 少ない この時期は、

直接花粉を与えることを止め、4日目以降 も、云わば、花粉を薄めた!? このミルクを、

何と、代用 として、引き続き与えているようなんです。

(ちなみに、花粉が不足すると、筋肉タンパク質)を壊してでもミルクを作ります)

 

それだけ水も、多く 必要になるわけですが、

この時期、巣内の水分ハチミツ成分の約20%は水です)のみ なので、

これだけでは、とても 間に合わない、ということなのでしょう。

 

活発な吸水活発な育児 

 

ということだったんですね。

ちなみに、この行動は、春先 の分蜂前にも見られたりします。





《 関連リンク 》

 ● 越 冬(その1)

 ● 越 冬(その2)

 ● 越 冬(その3)

 ● 越 冬(その4)

 ● 越 冬(その6)


 ● トウヨウミツバチ

 ● 蜂パン







関連記事

越 冬(その4)

ワバチは、越冬を成功させるため、

貯蜜の消費を 極力抑える ための、蜂 球 という凄業を使っていますが、

それ以外にも、さまざまな 工夫 をしています。

 

越冬中の、その他の工夫を、少し見てみたいと思います。

 

 

・産卵と育児を、縮小・ストップさせ、貯蜜の消費を抑えます。

   → 冬を感知することで、徐々に女王蜂の 産卵数減って いきます。

       ワバチは、暖房により、真冬でも巣内での活動は可能で、育児も行えますが、

       これには、大量の ハチミツや花粉、そして水を必要とします。

 

       ヨウバチの場合

       最終的には、冬至の頃(12/22頃)から約1ヵ月間(地域により差は有り)、

       産卵を完全に ストップ させてしまうようです。ワバチも同様だと考えれば、

       産卵・育児の止まるこの期間は、完全な越冬状態 と云えますね。

 

   育児には、34~35℃ の温度が不可欠です。

   越冬中であっても、育児が行われている間は、育児巣房が、この温度に保たれるよう、

   常に、発熱 を繰り返さなければなりません。

 

   設定温度が高いほど、貯蜜消費量も多くなりますので、

   この温度を保ち続けることは、より多くの 貯蜜 を消費することでもあるんです。

 

   そこで、産卵をストップ させ、その後、蜂児(ハチの幼虫)を育て上げると、

   温度を凍死ギリギリの 30℃ まで落とし、完全な越冬状態に入ることで、

   貯蜜量 を抑えるようになるんです。

 

   ただ、ここで不思議なのは、一月の中旬頃になると、まだ 真冬の状態 であっても、

   小規模ながら、何と、再び 産卵・育児が 開始 されるようなのです。

 

    ikujisaikai

   【 産卵・育児 再開時のワバチ 】:外から見ても、再開の有無は分かりません。

 

   冬至12/22頃)を過ぎると、徐々に 日照時間 が長くなっていきますが、

   これを感知して、産卵を止め、再び、何らかの(日長!?)変化を感知することで、

   再開 されるのだと、想像できます。

 

   以上は、ヨウバチの知見 ですが、ワバチも同様 だと考えれば、

   貯蜜消費量が 増える というのに、何とも不可解で、不思議な 習性 ですね。

   何か理由があるはずですが、よく分かっていません・・・。

 

 

・採餌活動をストップさせ、貯蜜の消費を抑えます。

   → 産卵・育児が 止まり、最後の 蜂児を育て上げ、育児も終了すると、   

       本格的な 越冬態勢 に入ることになります。

       この状態に入った、ワバチたちは、採餌活動も 完全にストップ させ、

       暖かな日があっても、外には 出なく なります。

 

        jitto2

       【 越冬態勢のワバチ 】:育児や採餌活動を止め、動かずじっとしています。

 

   採餌活動には、飛ぶために ハチミツ を必要としますが、貴重な貯蜜を使っても、

   この時期、それに見合う 花蜜や花粉 を得ることは出来ません。

   採餌活動を 完全に停止 することで、無駄な貯蜜の消費を 防いで いるんです。

   完全な、巣ごもり状態 と云えますね。

 

 

・蜂球状態のまま、巣板をかじり上がり、貯蜜を食べ易くします。

   → 蜂球を作る際、邪魔となる巣板を かじり落としていく ことは、前回 書きました。

       実は、蜂球を作った後 も、この状態のまま、巣板をかじり落としているんです。

       この行動は、貯蜜を食べる 上で、とても 重要な役割 を果たしています。

 

   ワバチは、ハチミツ を巣板の 最上部 から、貯めていく 習性 を持っています。

 

   越冬中は、巣板の 先端中央付近 で、蜂球を形成しているわけですが、

   巣板の先端というこの場所は、命綱となる、ハチミツが貯蔵されている エリア とは、

   最も 遠い場所 に位置します。

 

   蜂球を解けば、簡単に 貯蜜エリアまで行けるのですが、

   解いてしまうと、保温効果が下がりその都度、発熱の必要が生じてしまいます。

 

   いたずらに発熱回数を 増やし、無駄に燃料を 浪費 することは、許されません。

   そこで、ワバチたちは、蜂球状態のまま 巣板をかじり落としていくようになるんです。

 

   巣板の先端中央部から、上へ上へ蜂球ごと 貯蜜エリア まで進んでいくわけです。

   ちょうど、巣の真ん中に、蜂球ごと スッポリ埋まっていく ようなイメージですね。

 

 

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   巣板を かじり落とし ながら、貯蜜を消費 していくわけですが、これは、

   まるで、巣板を にして、蜂球の部屋 を作っているようにも見えます。

 

   実は、この部屋、断熱効果 のある巣板を、防寒壁 として利用することで、

   さらなる 保温効果 をも実現しているんです。

   多くの巣板 の存在が、防寒にも役立っているわけですね。

 

   この多くの巣板を作る性質も、ワバチの寒冷地進出に大きく貢献しているんです。

 

   そして、この 蜂球ごと貯蜜エリアに入って行く、という行動には、

 

    ハチミツを溶かして食べ易くする

 

   という 効果 があります。

 

   越冬中は、暖 房 により、巣内を暖めているとはいっても、

   常に 30℃以上 に保たれているのは、蜂球の中 だけで、それ以外の、

   熱源から 遠いエリア は、冷たい外気 によって冷やされています。

 

   14℃ を下回ると、ハチミツの 結晶化 が起こり始める、と云われていますが、

   越冬中、場所によっては、貯蜜の 粘度 が上がって 固くなって しまっていたり、

   結晶化 して、食べることが出来ない状態 に、なっている場合もあるんです。

 

   このままでは、せっかく 蓄えた貯蜜 が、無駄 になってしまうばかりでなく、

   命の危機 に、直面することにもなります。

 

   そこで、高温 の 蜂球状態 のまま、かじり進めていくことで、

   保温状態を 保ったまま、貯蜜エリアの温度を、上げることが 可能 になり、

   固くなったハチミツを、元の食べやすい状態 へと、戻すことに成功したわけです。

 

   越冬中に作る 蜂 球 とは、

   ・体力の消耗を防ぎ、食料の消費を抑える。

   ・保温効果を高め、暖房燃料の消費を抑える。

   という 効果 だけでなく、

 

   ・貯蜜を食べやすい状態に戻す。

 

   という、一石三鳥 凄業 だったんですね。

 

   蜂球とは、つくづく考えつくされた驚きの 凄 業 だということが分かります。

 

 

・脱糞は、外へ出て行い、衛生環境を保ちます。

   → 越冬中でも、脱糞排泄)の場合は、巣の外 に出て行われています。

       越冬中でも、起きているので、当然、食事もしますし、排泄物も溜まります。

       特に、育児が再開された後は、蜂児に与える ワーカーゼリー を作るために、

       花粉 を多く食べるため、糞の量も 増える ことになります。

 

   晴天 で、比較的暖かな日には、排泄のためだけの、脱糞飛行 を行っています。

   巣から 数十メートル 程、飛び出し、用を足すと、またすぐに巣へ戻る

   という、行動をとっているんです。

 

    凍死1

   【 脱糞飛行 】:晴れて、比較的暖かな日に、短時間で行われます。

                         雪原飛翔 より)

 

   雪に覆われている場所などでは、長く飛行を続け過ぎて、体が冷え たり、

   誤って、雪の上 に止まってしまったりすると、そのまま寒さで 動けなく なり、

   凍死 してしまうこともあるんです。(排泄も命懸けだったりします・・・。)

 

   越冬中に限らず、ワバチは、決して、巣内で脱糞 することは ありません

   きれい好き、と云えばそれまでですが、巣内での、脱糞行為は、衛生環境を悪化 させ、

   病気 の元となり、ひいては、コロニー全体の 存亡 にまで関わります。

 

   恐らく、進化の過程 で、この行動自体が、淘汰 されたのでしょう。

   特に越冬中は、半密閉状態 の空間で過ごすわけですから、危険性 も高まります。

   越冬中であっても、

 

   は外で足せ 」

 

   というこの 不文律 は、変わらないようですね。

 

 

・越冬中の働き蜂は、寿命を伸ばしています!?

   → 春から初秋 に生まれる働き蜂たちの 寿命 は、概ね 1ヵ月 位と云われています。

       これに対して、晩秋 に生まれ、越冬を行う 働き蜂たちは 6ヵ月 とも云われ、

       何と、約6倍 も寿命を延ばしているんです。 驚きですね!!

 

   確かに、越冬期間 は、地域によっては 3ヵ月以上 にも及びますから、

   1ヵ月 の寿命しかなければ、皆、越冬中に 死に絶えて しまうことになりますよね。

 

   もっとも、これは、あまり動かず、じっとしているため 寿命が延びている だけで、

   働いて、体を駆使しなければ、長生き出来る ようなんです。

   逆に云えば、普段、それだけ 過酷な労働 を行っているとも言えますね。

 

   人もきっとそうなのでしょう・・・・。

 

   ちなみに、ヨウバチの知見 ですが、越冬中の働き蜂の 血液 を調べてみると、

   血中に 幼若ホルモン という物質が、少ない ことが分かっています。

 

   幼若ホルモン というのは、ミツバチの分業 に関わる ホルモン なのですが、

   年を取ったハチほど、この濃度が 高い んです。

   つまり、この濃度が 低い ままの方が、長生き出来る ということのようです。

 

   越冬中は、体内の 生理活性変化 していたんですね。

 

   普段は、常に育児を行っているので、CO²幼虫の呼吸) を 多く吸うため、

   幼若ホルモンの 血中濃度上がってしまい 、逆に、越冬中は、育児が無い、

   あるいは、規模が小さいために、結果的に 濃度が 低く なっているだけようです。

 

   残念ながら、寿命を 能動的に 伸ばしている訳ではなかったようですね・・・・・。

 

 

 

以上、これら様々な 工夫 を駆使して、厳しい冬 を乗り越えているわけです。

 

全く、つくづく 凄い奴です、ワバチって!!

 

 

ただ、ここで一つ、 疑問 が生じます。

 

 

越冬の方法に、地域差 はないのでしょうか?

 

 

このことについては、次回 書いてみたいと思います。





《 関連リンク 》

 ● 越 冬(その1)

 ● 越 冬(その2)

 ● 越 冬(その3)

 ● 越 冬(その5)

 ● 越 冬(その6)







関連記事

越 冬(その3)

越冬中、ワバチは、蓄えておいた ハチミツ を使い、これを、

 

食料にすることで、命をつなぎ、

燃料源にすることで、暖房を行う。

 

つまり、貯蜜を 命綱 として 越冬を成功 させているわけです。

このハチミツが、途中で無くなってしまうという、

 

貯蜜切れ 』

 

という事態は、コロニー)の、全滅餓死・凍死)を意味するということで、

絶対に、避けなければならない事態であることは、言うまでもありません。

 

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【 貯蜜切れで餓死(凍死)したワバチ 】:

    貯蜜が切れると、巣房に頭を突っ込んだまま死んでいきます・・・。

 

このため、ワバチたちは、

春から 数世代この時期の働き蜂の寿命は、約1ヵ月間) に渡って、

協力し合いながら、命懸けでコツコツとハチミツ を貯め込んでいくわけです。

 

群によっては、数十キロ ものハチミツを貯め込むわけで、製造工程 を知っていれば、

如何に 莫大な労力 を費やしているかは、想像に難くありません。

 

また、一匹当たり、一生に 約 7mg、とも云われる ハチミツの生産量 を考えると、

いったい、どれ程の と、引き換えにして、造り上げられたことでしょう・・・・。

 

この 命の糧、いや、命そのもの とも云うべき、ハチミツを奪う 採蜜 という行為は、

ワバチにとってみれば、理不尽極まりない 強奪 とも言えますね。

 

ハチミツが出来るまでの 工程こちらを参照)を知るだけでなく、

越 冬 を知って、初めて、採蜜 という行為の意味が 真に理解 できる気がしています。

 

ワバチには、謝 罪感 謝 ですね。

 

御免なさい。

そして、ありがとうございます。

 

 

さて、越冬中、地域によっては、3ヵ月以上 もの長期間、基本的に、採餌には出ず

じっと、巣の中に こもったまま、春の訪れを待っているわけですが、

 

ハチミツ が 補給されない

 

という この 状況下 では、

無駄遣い は、絶対に 避けなければならない、最重要課題 とも云えます。

そこで、ワバチたちは、ハチミツの消費を抑えるための、

 

「 蜂 球 」

 

という 凄業 を使うことになるんです。

 

 

ここで、越冬中のワバチの様子を、少し見ていきたいと思います。

 

・あまり動かず、じっとしているようになります。

   → 活発な活動は、食料や燃料となるハチミツの消費を、早める ことになります。

       このため、ワバチたちは越冬態勢に入ると、次第に、

       無駄なハチミツの消費体力の消耗抑える ようになるんです。

 

 

・ビースペースから離れ、徐々に皆で集まるようになります。

   広がったままでは、ハチミツの 消費が増える ため、徐々に、巣の中央へ、

       皆が、集まって 来るようになります。

 

   多数の巣板 からなる、ワバチの巣ですが、

   普段、多くの働き蜂たちは、巣板と巣板の間 に空いた、複数の、

 

    ビースペース ( Bee space )

 

   と呼ばれる 空間 で、生活し、育児や貯蜜などの 仕事 を行っています。

 

    beespace

   【 ビースペース 】:巣板と巣板の間の空間が ビースペース

       写真右上:多くのハチがビースペースに入っています。

       写真右下:巣板を下から見ると、ビースペースは見えません。

 

   実は、外からは一見、一塊 になっているように見える、ハチたちも、

   実際には、下のイメージのように 巣板 によって 分断 されているわけです。

 

 

 

巣

 

 

 

   越冬中も、もちろんこの ビースペース の中で、胸部の飛翔筋 を震わせ、

   熱を発生させて 暖房 をしていますが、この状況、実は 非常に効率が悪い んです。

 

   巣板には、たくさんの巣房 が存在していますが、この巣房は 空気を内包 できるので、

   断熱効果 があります。このため、それぞれのビースペースの中で発生させた が、

   巣板によって、分断 されてしまい、効率良く全体にまで 伝わらない んです。

 

   例えば、1つの部屋の中に、1人でいるよりも、大人数 でいた方が 温かい

   といった経験をされたことはないでしょうか。

 

   これは、

   個々の体温から発せられた熱が、部屋の中で プラス されて 一つになる ためで、

   皆が集まることで、暖房をつけなくても、温かくなるというわけです。

 

   これが、1人ずつ別々の部屋にいる状態ならば、個々の熱はプラスされません

   このままでは寒いので、それぞれの部屋 で、暖房をつけなければならなくなります。

 

    暖房費の 無駄遣い ですね。

 

   つまり、ビースペース内での発熱は、個室にこもっているのと 同じ ことで、

   個々のスペースで、ハチミツを使って発熱しなければならないことを意味するんです。

 

    まぎれもない、ハチミツの無駄遣い ですね。

 

   この無駄遣いを避けるため、徐々に ビースペースから離れ、巣板先端付近 に、

   集まってくるようになるんです。特に、蜂数が少ない群では、これが顕著です。

 

 

・巣板を先端から徐々に、かじり落としていきます。

   → ハチミツの消費を抑えるため、皆で集まるようになるワバチですが、

       集まるうえで、巣板は邪魔になってしまいます。

       そこで、邪魔となる巣板を、先端からかじり落とすようになるんです。

 

   越冬中に巣内を見ると、巣底に多くの 巣屑巣板を齧り落とした屑)が、

   落ちているのを見ることが出来るのですが、こういう理由からなんですね。

 

    sukuzu

  【 巣 屑 】:巣の底に、巣板の齧り屑が堆積します。

 

 

そして「 蜂 球 」を形成するようになるんです。

 

 

・熱を逃がさないよう、寄り集まって、蜂球を作り始めます。

   → 寒さが増してくると、次第に皆で寄り集まって、蜂球を形成します。

       蜂球というのは、皆で寄り集まって、一塊の球状になった状態のことです。

       何もしなくても、体温は体毛で包み込まれ、ある程度 保温 されますが

       蜂球を作ることで、劇的に 保温効率が上がることになります。

 

        ettouhoukyuu

       【 越冬中の蜂球 】:蜂球は、寒さが増せば縮まり、緩めば広がります。

 

 

・蜂球状態でじっと耐え、温度が下がると発熱を行います。

   → 実は、この蜂球、発熱回数を減らす ことにも、貢献しています。

       蜂球は、保温効果非常に高い ので、一度発熱すると、そのまま、

       何もせずじっとしていても、なかなか温度が下がらないんです。

 

   静止状態でのワバチは、11~12℃位 で 寒冷麻痺仮死状態)になるのですが、

   これ以上、温度が下がると ヤバイ、死んでしまうぞ!!

   という、一歩手前、ギリギリ のところまで、蜂球状態 で耐えているんです。

 

   その後は、徐々に発熱を 再開 していくことになります。

 

   発熱は、蜂球の中心付近 にいるハチたちで行われますが、

   この時、直接冷気にさらされている、蜂球の外側 にいるハチたちは、

   なんと、自らは発熱せず、発生した熱を逃さないことだけに専念するんです。

 

   皆で発熱してしまえば、その分、貯蜜の消費も多くなるわけですから、

   何とも天晴な、倹約行動 ですね。

 

    素晴らしい!!

 

   ちなみに、蜂球の外側 にいるハチたちは、当然、寒さで動けなくなる のですが、

   定期的に蜂球内にいるハチと 入れ替わる ことで、凍死するのを防いでいるんです。

 

   そして、再び蜂球内の温度が上がってくると、

   飛翔筋発熱)を止め、またギリギリまで じっと している、

   といった行動を繰り返すのです。

 

 

蜂球状態 での、この一連の行動は、

 

・体力の消耗を防ぎ、食料の消費を抑える。

・保温効果を高め、発熱回数を減らし、暖房燃料の消費を抑える。

 

といった 効果 をもたらします。

つまりこの方法は、最小限のハチミツ消費量 を実現できるやり方なんです。

 

 

この業なくして、極寒の冬 を乗り切ることなど、到底出来ません。

もしこの方法を体得していなければ、日本にまで生息域を広げることもなく、

私が、このミツバチと出会うこともなかったのでしょうね。

 

脱帽です!!

 

この蜂球行動に見られる チームプレイ こそ、ワバチの 真骨頂 とも云えますが、

実は、この蜂球形成だけでなく、他にも様々な 工夫 を行っているんです。

 

この工夫についは、次回 書いてみたいと思います。





《 関連リンク 》

 ● 越 冬(その1)

 ● 越 冬(その2)

 ● 越 冬(その4)

 ● 越 冬(その5)

 ● 越 冬(その6)


 ● ハチミツ が出来るまで(その2)







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Author:やっこ
ニホンミツバチに関する様々なことを、
気ままに思いつくまま書いてます。
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